産業安全技術館、(女性と仕事の未来館)

労使の努力で達成する労災防止

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 生産活動と安全活動は別個に扱うものではなく、生産活動には最初から安全を組み込まなくてはならないと米国の先覚者は提唱した。だが危険性が大きいと思われる業種を除けば、一般企業の安全活動への取組みは今一つである。

 一般企業では安全週間にポスターを貼るのと、労働災害が実際に起きてから泥縄的に対処するのがごく普通の状態だ。それは安全活動が表面上直接の利益を生まないからだろう。けれども現実には災害の種は幾らでもあり、大災害も発端はさ細なことから起きている。

 多くの災害はごく単純でささやかな事柄が起因だが、一度発生するとその後処理に多くの負担がかかる。被災者が苦しい思いをするばかりでなく、管理監督者や企業もその事後処理に苦労する。同僚へも仕事のしわ寄せが及ぶし、第三者に被害が及ぶことも少なくない。

 「産業安全技術館」は労働災害防止に関する知識を広め、関連情報を提供するために設立された。従ってその内容は落下・崩壊・爆発・感電・静電気・機械との接触・有害物質との被ばくなどと、各種労災事故の事例とその原因の説明、及び防止対策の紹介などで構成されていた。

 館内には保護具や安全装置・測定器・安全標識など、防災用機器や用具が多数展示されていた。例えば保護具なら安全帽・安全靴・耳栓・耳覆・防塵マスク・防塵眼鏡・安全帯・防護服・手袋などで、各々には多くの種類があり、それらのサンプルが陳列されていた。

近年、労働者の高齢化が進み、加齢による五感や手足の衰えに起因する事故が多くなった。例えば滑りやつまずきによる転倒転落や錯誤による誤操作、あるいは視力・聴力・嗅覚・触覚などの感覚器官の衰えによる事故である。

 加齢による五感の衰えは、本人が気付かぬ内に着実に進むから怖い。例えば聴力は20才頃をピークとして、加齢と共に低下し、中高年になると半分ぐらいに低下するそうだ。平衡感覚や視力の低下も顕著である。当館ではこの問題に関しても解説し、それらのテスト装置も備えているから、この種の測定器を使って、ご自身の能力を時々確認するのは必要だ。

 安全活動は会社が努力するのはもちろんだが、働く人一人一人も心して自己と他人の安全を守らねばならない。当館の敷地内には「3D・VR(立体映像・ヴァーチャルリアリティ)シアター」が設置され、労災の疑似体験ができるなどの参考映像を上映していた。当館と同じ趣旨の大阪産業安全技術館が大阪市中央区にも設置されていた。

しかし、事業仕分けによって、直接的利益が見えにくい当施設は廃止になった。でもこの種の活動とその啓発、及び必要設備・機器・器具などの開発は、国でなくても産業界などで今後も自主的に継続して行かねばならない事項だと思う。関係者の更なる努力と健闘を祈りたい。

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(作成日: 00/10/27、 更新日: 11/07/31)

 

(施設情報参考)名称_住所_電話番号_駅からの概算路線距離(駅からの概略方位と直線距離)・所要時間・バス_展示規模_対象_開館時間(受付終了時刻)_休館日_備考_{施設情報確認日}開閉館時間と休館日はよく変るし臨時休館もある。事前確認が賢明

 

厚生労働省 産業安全技術館(あんぜんミュージアム&シアター)_東京都港区芝 5-35-1 産業安全会館1F,2Fと安全衛生総合会館2F_事業仕分けの結果、11/03/31を以って閉館_{11/08/31}