青梅鉄道公園、梅小路蒸気機関車館

往年の名機関車が並ぶ公園

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参照(保存駅舎A)  参照(保存駅舎C)

 奥多摩を走るJR青梅線、その青梅駅から背後の青梅丘陵に向かって息の切れそうな急坂を上ると、青梅市永山公園とそれに隣接した「青梅鉄道公園」がある。青梅鉄道公園は鉄道開通90周年を記念して旧国鉄が開園した施設だ。

 ここには蒸気機関車を主として、電気機関車や新幹線の先頭車両なども保存されている。また記念館には車両の模型や列車の写真が展示されている。敷地内には子供用の乗り物もそろっており、小さな子供が楽しそうに遊んでいる。

 保存車両は1872年の鉄道開業当時に新橋・横浜間を走った英国製110形式(鉄道記念物指定)、日露戦争時に輸送力増強のため英国から輸入した2120形式、大正時代の代表的な国産旅客用機関車8620形式と同貨物用機関車の9600形式など、いずれもかつて大活躍した機関車だ。

 さらに直径1.75メートルの大動輪を初めて採用した名機関車C51,小回りの利くC11,有名なD51,特大型ボイラーと動輪五個を備えた勾配専用の国鉄最後の蒸気機関車E10、古典スタイルの電気機関車ED161(準鉄道記念物指定)なども並んでいる。

 一部の機関車は運転台にも入れるが、鉄の箱にはまり込んだような感じのする運転席に座り窓から前方を見ると、ボイラーに遮られた視界は本当に狭い。前方確認に神経を使いながら定時運転に努めた機関手や、激しい振動と熱気の中で絶え間なく石炭を投入し続けた機関助手の労苦がしのばれる。

 大切に保存されている機関車は並んでいるだけで迫力があるが、保存事業にも苦労が多いようだ。当館は関東ローム台地上にあるため、かつて降雨の際に地盤が崩れて、貴重なC51が崖下に転落したことがあった。地盤の安定性を重視する鉄道技術者としてはお粗末な話だった。また近年は機関車の部品を狙った盗難事件も増えている。野外展示の文化遺産を狙う不心得者には厳罰で対処するしかないだろう。

 ところで、蒸気機関車といえば京都の「梅小路蒸気機関車館」を思い出す。当館は日本の鉄道開業100周年を記念して、梅小路機関車区の蒸気機関車用扇形車庫(写真1)を利用して開設された。ここには大正時代以来の日本の代表的蒸気機関車16形式18両が保存されている。機関庫も重要文化財に指定されている。

 車庫に入庫している機関車の重量感あふれる足回りを見ていると、その機械美が素晴らしい。往時は全国どこでも見られた蒸気機関車の勇姿だが、今では貴重な文化遺産になってしまった。毎日通勤でお世話になっていた筆者も、ある種の感慨を感じる。

 当館の特色は保存されている機関車の一部が実際に自力走行できるように整備されている、すなわち動態保存されている点だ。動態保存しているのは8620,C57,B20,D51,C56,C61,C62の各一両だ。実際に動いている機関車の姿はまた格別の迫力がある。

作者が訪問した時には大型旅客用機関車C61が蒸気を吐きながら前進後退を繰り返していた(写真2)。またツバメのマークを付けたC62型2号機も石炭を積んだ状態で転車台の前に止まっていた(写真3)

 当館では動態保存中の機関車から選んだ機関車が毎日見学者を乗せた遊覧列車を牽引して構内を走るし、各地で行なわれる蒸気運転のイベントにも機関車を貸し出している。古い蒸気機関車を長く動態保存するのは並大抵のことではなく担当者の苦労も偲ばれる。

 HI370130なお当館の玄関になっている建物は、旧二条駅舎として使われた純日本風の立派な木造建築物だ(写真4)。この建物は1904年(明治37年)に山陰本線の前身となった旧京都鉄道本社兼二条駅として建てられたもので、1996年までJR二条駅として使われた。

その建物内は蒸気機関車C11運転台のカットモデルや機関車の投炭練習機があり、また蒸気機関車関係資料の展示や映像説明の場として利用されている。屋内にある貴賓室はかつて嵐山見物に向かう貴賓の待合わせ休息用として設置された。

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(作成日: 00/09/08、 更新日:13/11/15)

 

(施設情報参考)名称_住所_電話番号_駅からの概算路線距離(駅からの概略方位と直線距離)・所要時間・バス_展示模_対象_開館時間(受付終了時刻)_休館日_備考_{施設情報確認日}開閉館時間と休館日はよく変るし臨時休館もある。事前確認が賢明

 

青梅鉄道公園_東京都青梅市勝沼2-155 氷山公園の一角_TEL 0428-22-4678_

JR青梅線青梅駅から0.9km(65deg.E 0.5km) 徒歩15分途中急坂あり。タクシーが利用できる_中_大人子供_

10:00-17:30(17:00)(310)

10:00-16:30(16:00)(112)_

月曜日(祝日または振替休日に当たれば開園し、翌火曜日休館)12/291/2

(なお1/31/73/264/64/295/5、および10/1などが月曜日に当たる場合は特別開園)_{17/04/30}

 

(梅小路蒸気機関車館_京都市下京区歓喜寺町 梅小路公園内)_

当館は15/08/30を以て閉館し、2016年春に新しく京都鉄道博物館として生まれ変わり、その中に当館施設も併合されている。