如是蔵博物館、山本五十六記念館

空に散った海軍飛行隊育ての親

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 長岡駅に近い「如是蔵(にょぜぞう)博物館」は野本恭八郎(号 互尊)旧宅を博物館にしている。この人は明治・大正期に活躍した地元の実業家で、「互尊独尊」思想を唱えて精神実践活動でも実績を残した。

 その思想は「すべての物は天から授かった尊いもので、従って自分も尊いし、他人も尊いのだから互いに尊敬せねばならない」という主旨であり、封建的観念が濃厚だった明治時代にあって近代的な人権思想の持ち主だったといえよう。当館は彼の書画や遺品を展示し、合わせて彼の思想や業績を紹介している。

 また当館には戊辰(ぼしん)戦争当時の長岡藩家老で、中立を唱えたが事ならず戦争に巻き込まれてしまった河井継之助や、米百俵の故事で知られる小林虎三郎の資料も展示している。

米百俵とは戊辰戦争に敗れ家も失って困窮化した長岡藩士へ、支藩の三根山藩から救援米百俵が送られてきた。ところが同藩大参事の小林虎三郎はそれを国漢学校建設に振り向けてしまった。山本有三はこの事実を同名で戯曲化している。

 さらに第二次大戦で戦没した当地出身の山本五十六(いそろく)連合艦隊司令長官(18841943)のコーナーもある。彼は海軍次官から連合艦隊司令長官になり、大戦初期の真珠湾攻撃やミッドウェー海戦などを指揮した。

 彼は旧長岡藩の儒者・高野家に生れ、長じて長岡藩家老を勤めた山本家を継承した。その後海軍に入った彼は国内や海外勤務をエリートとして歩み、その頂点を極めた。だが第二次大戦の開戦を前にして連合艦隊司令長官に就任した彼にはまず栄光が、次いで苦難と悲劇が待っていた。

 真珠湾攻撃やミッドウェー海戦など国の命運を左右する大作戦は、当時戦場から遠く離れた日本本土の海軍軍令部で作戦計画から指導までを行い、それを艦隊の司令長官が指揮遂行する方式で行われた。しかし両作戦を航空戦力中心で実施する方針は戦機を重視した彼の強い進言によったという。

 真珠湾攻撃は敵主力艦を撃滅して一応成功を収めた。ただ不在だった敵空母群を無傷で残した点は不運だった。その半年後に太平洋のど真ん中で行われたミッドウェー海戦ではそれが響いた。連合艦隊は米軍機の先制攻撃を受けて大切な航空戦力の大半を失ってしまった。この事態は直接的には準備不足と偵察の甘さが招いたとされるが、それらは緒戦の勝利による日本側の慢心にも由来するともいわれている。

その後開始された連合国側の反攻はソロモン海域へその矛先を向け、日本側は「い」号作戦を発令してそれを阻止しようとした。その前線視察と士気高揚のためラバウル方面へ向っていた彼の搭乗機は、その情報を傍受して待ち構えていた敵戦闘機隊によってソロモン海域のブーゲンビル島上空で撃墜された。

 この攻撃は日本側無線の全容を傍受解読して待ち構えていた米軍P38戦闘機隊の一撃離脱戦法で行われた。新規に組まれた暗号さえも早速解読され、また対空用レーダーの開発と配備の遅れにも彼我の技術力や工業力の差はすでに歴然としていた。

 巨艦巨砲主義が強かった開戦前の海軍部内にあって、彼は航空戦力の重要性に早くから気付き、空母と艦上攻撃機隊の整備拡充に努めた。戦前に三回も駐米経験のある彼は、彼我の国力差をよく知っていた。そのため開戦前に「半年位は大いに暴れてみせるが…」と語り、対米開戦回避に努めていた。

しかし、いったん開戦が決まれば、その立場上からも全知全能を傾けて敵を撃滅することが求められる。彼は自らが育成した航空戦力を最大限に駆使してこれを遂行しようとした。大艦巨砲の時代はすでに過ぎ去り、これ以降もその出番はなかった。

海軍航空隊はハワイでは活躍し、ミッドウェーでは苦杯を喫し、天王山のソロモン海域で雌雄を決しようとしていた矢先の戦没だった。彼には元帥位が遺贈され、盛大な国葬が営まれた。それは1943年春のことで、日本国民に戦局の重大化を強く印象付けた。

なお長岡市中心部の生家跡に造られた山本記念公園の近くには「山本五十六記念館」もある。これら両館には彼の生涯や人間像を紹介し、手紙や遺品と共に最後の搭乗機・一式陸上攻撃機の破片が展示されている。「やってみせ、言ってきかせて、させてみて、誉めてやらねば人は動かじ」は彼の言葉としてよく知られる。

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(作成日: 00/04/09、 更新日: 05/03/07)

 

(施設情報参考)名称_住所_電話番号_駅からの概算路線距離(駅からの概略方位と直線距離)・所要時間・バス_展示規模_対象_開館時間(受付終了時刻)_休館日_備考_{施設情報確認日}開館時間と休館日はよく変るし臨時休館もある。事前確認が賢明

 

()日本互尊社 如是蔵博物館_新潟県長岡市福住 1-3-8_TEL 0258-32-1489(日本互尊社)_

上越新幹線・上越線長岡駅東口から0.4kmダイエー裏(55deg.E 0.3km) 徒歩 5分_

駐車場 無料あり_小_大人_

10:00-16:00_

月曜日、12/291/4_予約が望ましい_{17/02/15}

 

 

山本五十六記念館_新潟県長岡市呉服町1-4-1_TELFAX(記念館) 0258-37-8001(山本元帥景仰会)TEL 0258-32-4500_

JR上越新幹線・信越本線長岡駅大手口から0.8km(NW 0.6km)徒歩11分_

駐車場 普通車6台、その他臨時の駐車場あり_小_大人_

10:00-17:00_

年末年始(12/281/4)、展示替え期間_{17/02/15}