水の科学館、虹の下水道館

上下水道は都市の生命線

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 東京臨海副都心の一角に「水の科学館」がある。東京都水道局が設置した施設だから、当然水道が主題になるが、当館では水に関してもっと幅広く扱おうとしている。その狙いが必ずしも適切に達成されているとはいい難いが、展示内容は多岐にわたっている。

 例えば水の惑星・地球における水の存在と生命の関わり、水の科学的性質、水道事業、生活における水の必要量、体と水の関係、海水の淡水化、水の産業的利用などと、色々な角度から水を解説している。水道事業に関しては、水源林・貯水池・取水・浄水・給水と、流れに沿って解説している。

 見学時間によっては、この建物の地階にある有明給水所をガラス越しに見学できる。これは実用施設だから展示向きではないが、監視室・電源室・給水ポンプ室などを見た上で、水質管理や漏水探査などの業務をガイドが説明する。

 また当館敷地の前面に臨海副都心共同溝展示室があって、以前は見学できたが閉鎖された。共同溝は臨海副都心の道路下に設置され、上水道・中水道・下水道・ごみ収集管路・電気・電話・ガス・情報通信・地域冷暖房などの配管をまとめて収容している。それは副都心の動脈・静脈・神経を兼ねた生命線というべき施設である。

 ところで水道は上水道ばかりではない。供給があれば、排出も必要になる。外国の古代遺跡、例えばパキスタンのモヘンジョダロ遺跡ではそれが4千年前の遺跡であるのに、雨水用とトイレ汚水用の二通りの下水が設置されていた。けれども日本では下肥を利用する習慣があったためか、長らく雨水溝程度の施設しか整備されなかった。

 1877年(明治10年)、東京でのコレラ大流行が契機となり近代的上下水道の必要性が認識された。下水道の分野では1884年にレンガ巻きの神田下水道の工事が始まっている。だが下水処理施設はずっと遅れて1922年、東京・三河島に日本最初の処理場が完成した。

 その後、日本では上水道の整備が優先されたが、それさえも戦前は都市部だけの普及だった。本格的な下水道の普及は戦時資材統制や資金不足でずっと後になり、東京区部の下水道の普及率は1961年には僅かに22%、それが70%を越えたのは1978年(昭和53年)だった。今では各都市に下水道が整備され、大都市では大体95%以上の普及率になっている。

 「虹の下水道館」は下水処理場の上に造られ、規模は大きくないが、簡単な展示と視聴覚設備を使って下水道の現状を紹介している。以上の施設は場所的に近接しており、一緒に見れば全体像が把握できるだろう

 最近は水資源の不足から下水処理場の処理水を環境用水やビルのトイレ用水として再利用する中水道も普及しつつある。隅田川の両国橋付近では平常時の流れの70%が下水道の処理水というから驚く。日本は雨が多いが、人口も多く産業も発達し都市集中も進んでいるため、一人当たりの水資源はあまり多くないそうで、リサイクルは重要な課題となっているという。

 また汚泥からセメント原料・軽量骨材・舗道レンガ・やきもの原料・粒度調整灰などの各種製品が作られ、また下水管が光ファイバーケーブルの敷設施設として、そして放流水自体が熱源として注目されている。

 新宿国際ビルの地下4階には新宿副都心水リサイクルセンターがある。ここでは下水処理場から供給された高度処理水をさらに塩素減菌処理して、再生水と称して副都心各ビルのトイレ用水用に配水している。使用されたトイレ用水は、また下水処理場へ戻されてリサイクルされている。

 新宿副都心水リサイクルセンターにはリサイクルの各工程を模型で示し、映像装置やパネルで分かりやすく説明していたが、展示施設は廃止された。虹の下水道館の地下には同様の機能を持つ有明水再生センターがあり、そこでは予約制でガイドツアーが行われている。

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(作成日: 00/05/08、 更新日: )

 

(施設情報参考)名称_住所_電話番号_駅からの概算路線距離(駅からの概略方位と直線距離)・所要時間・バス_展示規模_対象_開館時間(受付終了時刻)_休館日_備考_{施設情報確認日}開館時間と休館日はよく変るし臨時休館もある。事前確認が賢明

 

東京都水の科学館_東京都江東区有明3-1-8_TEL 03-3528-2366_

a)ゆりかもめ国際展示場正門駅・臨海副都心線国際展示場駅から0.8km(55deg.W 0.7km)徒歩約10分、

b)JR山手線浜松町駅・東京都八重洲口・門前仲町駅などから近くまで都バスを利用し「武蔵野大学前」や「フェリー埠頭入口」下車徒歩約5分_

駐車場 なし。 公共交通機関の利用を要望_中_大人子供_

9:30-17:00(16:30)_

月曜日(月曜日が休日に当たる場合は開館し、翌平日休館)12/281/4_{17/01/23}

 

東京都虹の下水道館_東京都江東区有明2-3-5 有明水再生センター管理棟(A棟5)_TEL 03-5564-2458_

a)東京臨海高速鉄道りんかい線「国際展示場」駅から0.9km(80deg.W 0.7km)徒歩12分、

b)東京臨海新交通臨海線(ゆりかもめ)「お台場海浜公園」駅下車徒歩8分、

c)東京メトロ東西線門前仲町駅・同有楽町線豊州駅及びJR山手線浜松町駅から都営バスもある_

駐車場 有料 107台_中_大人子供_

9:30-16:30(16:00)_

月曜日(休日に当たる場合は開館し、翌日休館)、年末年始。

なお夏季の期間は無休、また9/10(下水道の日)10/1(都民の日)は開館する_{17/05/22}_

なお当館の地下にある有明水再生センターのガイドツアーは土日・祝日・夏休みに一日一回11時から、要予約

 

新宿副都心水リサイクルセンター_東京都新宿区西新宿 6-6-2 新宿国際ビル地下4階_10/03/31で閉館した_{10/04/01}