明治大学博物館

恐ろしい捕り物・拷問・刑罰具が

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  参照(岩宿遺跡A)  参照(岩宿遺跡B)  参照(司法A)

関連(伝統工芸)

 明治大学は以前から生涯学習の場として、考古学博物館・刑事博物館・商品陳列館を設けていた。この活動の一層の充実を目指して、これらは統合されて「明治大学博物館」として再発足した。

 従って当館の常設展示は大学史展示室と考古学部門・刑事部門・商品部門で構成されている。中でも刑事部門は他にあまり例のない異色の存在だ。明治大学は1881年(明治14年)に開設された明治法律学校を前身としている。

 その建学理念の「権利()自由」に基づき、刑事部門は「法と人、罪と罰」をテーマとしている。ここには刑事関係の膨大な資料が収集されているそうで、展示室には中世から近代までの古文書、刑事関係の実物資料やレプリカが展示されている。

 古文書では鎌倉時代の御成敗式目、戦国時代の今川氏や武田氏の文書、八代将軍吉宗が制定させた判例集・公事方御定書(くじがたおさだめがき)、庶民にしてはならないことを易しく記述した明治大正期の図解五拾五ヶ条などが、法の情報化のコーナに展示されている。

 現物展示は有名な大岡越前守忠相(ただすけ 1677-1751)や鬼平こと火付盗賊改・長谷川平蔵(1745-1795)などが活躍した江戸時代に焦点を当てている。そこには色々な十手や袖からみ・刺し股・突き棒といった捕り物帳でおなじみの捕者具が実物ゆえの迫力で並んでいる。

 また内外の拷問具や刑罰具のレプリカもある。例えばニュルンベルクの鉄の処女、火あぶり・磔の柱、鋸挽きの仕掛け、ギロチンなど、それらはレプリカとはいえ、いずれも凄みの感じられる代物だ。

 これらの使用目的は治安や政治体制の維持などであったとしても、拷問を伴なう自白重視主義の制度下では、えん罪に泣いた人々も決して少なくなかっただろう。そこに司法の厳正さと個人の権利の問題が大きな課題として浮上する。

 次に考古学部門では、日本の先土器時代から古墳時代までを、当大学が手掛けた発掘調査によって紹介している。考古学研究室は1949年に地元の相澤忠洋氏の情報提供と協力を得て、群馬県岩宿遺跡の発掘調査を行った。それは日本にも先土器時代が存在する確かな証拠をつかんだ点で、日本の考古学にとって画期的な業績となった。

 この成果によって日本人の歴史は一挙に一万年もさかのぼった。それ以来、先土器時代の遺跡は各研究者により全国各地で続々発見され、日本における人類の歴史はどんどん長くなった。しかしその過程で例のねつ造問題が発覚し、折角の発掘成果の信頼性に水を注したのは本当に残念なことだった。

 当部門の展示には岩宿遺跡や砂川遺跡など旧石器時代の石器、弥生時代の出流原(いずるばら)遺跡の出土品などの重要文化財が含まれている。また1955年に埼玉県で発掘された五領式土器は東日本の弥生式土器の跡に続く古式土師(はじ)式土器研究のきっかけを与えた重要な発見だった。

 当部門は単に出土品を展示するのではなく、発掘調査活動とその結果としての出土品という展示法を採用して出土品をより身近に感じられるようにしている。また日本国内だけでなく外国の考古資料も収蔵し、随時比較展示をしている。

 また商品部門は全国の伝統工芸品を対象としている。一口に伝統工芸品といっても、その分野は陶磁器・漆器・木竹工芸品・金工品・鋳物・織物・染色品・文具・おもちゃ・人形・切子ガラスなどと多種多様だ。

 伝統工芸品の例をいくつか挙げると、江戸切子・薩摩切子、岐阜提灯、肥後象龕(ぞうがん)、尾張七宝、越前打刃物、印伝細工(山梨)、山鹿灯籠(熊本)、津軽こぎん、ふくべ細工(栃木)、赤べこ(福島)、絵ろうそく(岐阜)、天童将棋、赤間硯、奈良墨、南部鉄器、博多人形などと各地に色々な商品がある。

 伝統工芸品は近年見直される機運にあるとはいえ、その名前から製品のイメージが連想できるものもあれば、始めて聞く名前もある。また同じ種類の製品でも産地によってその特性は違う。例えば漆器なら津軽・秀衡・会津・飛騨春慶・輪島・八雲・琉球など、それぞれの産地特有の味わいを持っている。

 そこで当部門では伝統工芸品を収集すると共に、その製造法や流通についても商学的見地から研究し、文献資料や映像資料として集積している。展示室には各素材別の実物資料とその代表的な製造工程が紹介されている。

 ただ新装された展示室は小奇麗にまとまっているが、やはり全国の工芸品をショーケースに入れて部屋の真ん中で順次展示する方式も併用した方が深い印象を与えると思われる。それは他の部門にもいえることで、狭いところに色々な説明が書いてあった旧館のほうがより身近な感じて理解できたように思えた。

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(作成日: 04/04/16、 更新日: )

 

(施設情報参考)名称_住所_電話番号_駅からの概算路線距離(駅からの概略方位と直線距離)・所要時間・バス_展示規模_対象_開館時間(受付終了時刻)_休館日_備考_{施設情報確認日}開閉館時間と休館日はよく変るし臨時休館もある。事前確認が賢明

 

明治大学博物館_東京都千代田区神田駿河台1-1 アカデミーコモン地階_Tel 03-3296-4448(博物館の休館日は電話対応も出来ない)

a)  JR中央・総武線御茶ノ水駅お茶の水橋口より徒歩5

b)  東京メトロ丸の内線御茶ノ水駅から徒歩8

c)  東京メトロ千代田線新御茶ノ水駅B1出口から徒歩8

10:00-17:00

(博物館図書館とミュージアムシップM216:30まで)

夏季休業日(8/108/16)、冬季休業日(12/261/7)、および8月の土・日曜日に臨休あり_

(なお上記期間を除く日曜日・祝祭日・大学の定める休日については、展示室は開室する)

(また博物館図書館とミュージアムショップは上記期間を除く日曜日・祝祭日・大学の定める休日と、8/19/19の期間の         土曜日も休む)_{17/04/30}