黄檗山萬福寺文華殿、寶蔵院鉄眼一切経版木収蔵庫

明様式のお寺と一切経版木の山

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 俳人・菊舎尼(17531826)は「山門を出れば日本ぞ茶つみ唄」と名句を詠んでいるが、これは洛南・宇治の黄檗宗(おうばくしゅう)萬福寺のことだ(写真A)。宇治は昔から上質の茶の産地として知られている。当時は寺の周囲一帯が茶畑だったのだろう画像 069

 萬福寺は明様式の禅寺として名高い。この寺は明末の高僧・隠元(いんげん 15921673)のために、将軍・家綱の命で創建された日本の黄檗宗大本山だ。隠元は明国福建省の黄檗山萬福寺に住持した禅の高僧だった。彼は明末の混乱期に日本側の招請に応じて来日し仏教界に大きな影響を与えた。それは1654年、彼が63才の時だった。

 従って寺の主な建築物は明様式で作られ、重要文化財に指定されている。また隠元が伴なってきた多数の弟子や、工匠・彫刻家・衣師などの集団は独自の黄檗文化を伝えた。「黄檗山萬福寺文華殿」には隠元ののびやかな書や弟子たちの書画など、黄檗文化を示す文物が収蔵され公開している。

 画像 071さらに萬福寺の塔頭(たっちゅう)「寶蔵院」には鉄眼一切経版木収蔵庫がある(写真B)。ここには隠元の教えを受けた鉄眼(てつげん 16301682)の発願と努力によって、17年掛かりで完成した一切経(仏教の経典全部、大蔵経ともいう)6,956巻の版木が収蔵されている。

1681年出来上がったこの版木は中国の明代万暦版一切経を手本にして吉野産の桜材に彫られ、その字体は現代の新聞や本の活字として使われる明朝体の原型となった貴重なものとして、48,275枚が重要文化財に指定されている。また版木は20×20字で刻まれているそうで、400字詰め原稿用紙の元だともいう。

 鉄眼は版木の開版費用の募金と説法に、加えて飢饉天災の救済にその生涯を捧げた奮闘の人だった。今日、墨で黒くなった膨大な枚数の版木の山を見る時、これを完成させた彼の努力に頭が下がる思いがする。各版木には費用寄進者の名前と由縁、金額とそれで彫った経典名などが記載されているそうだ。収蔵庫の土地は鉄眼の志を聞いた隠元が、所持した経典と共に彼に提供した所だった。

 黄檗版あるいは鉄眼版大蔵経と呼ばれるこの版木を使用して、収蔵庫内では現在も和紙に刷り込む作業が続いている。当初から現在までに約2千セットを刷り上げたそうで、それらは国内各宗派ばかりでなく、外国でも使われ仏教研究に大いに貢献している。信仰を通じた師弟の偉大な業績といえるだろう。

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(作成日: 00/11/20、 更新日: )

 

(施設情報参考)名称_住所_電話番号_駅からの概算路線距離(駅からの概略方位と直線距離)・所要時間・バス_規模_対象_開館時間(受付終了時刻)_休館日_備考_{施設情報確認日}開閉館時間と休館日はよく変るし臨時休館もある。事前確認が賢明

 

黄檗宗大本山萬福寺文華殿_京都府宇治市五ヶ庄三番割34_TEL 0774-33-1199(黄檗文化研究所専用)0774-32-3900_

JR奈良線や京阪宇治線の黄檗(おうばく)駅などから0.6km徒歩約58分_中_大人_

有料駐車場 普通車とバス用あり_

9:30-17:00(16:30)_

季節の特別展方式で展示される。会期中火曜日休館(ただし5/35/31など火曜日でも開館する場合もあるので、詳しくは要照会)_{17/02/10}

 

 

黄檗山寶蔵院鉄眼一切経版木収蔵庫_京都府宇治市五ヶ庄三番割 34-4 黄檗山万福寺の北側にある塔頭宝蔵院の並び_TELFAX 0774-31-8026_

奈良線・京阪宇治線黄檗駅から0.6km(60deg.E 0.4km)徒歩9分_

小_大人_

10:00-16:30(拝観は電話かファックスでの照会が望ましい)_{17/02/10}