山梨県立リニア見学センター、尾県郷土資料館

レールなしでも列車と音はお友達?

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 東海道新幹線が1964年(昭和39年)に開業してから40年近くたった。開業当初は夢の超特急といわれた高速列車も今ではすっかり人々の足として定着し、日本の社会経済に大きな変化をもたらした。また斜陽化していた世界の旅客鉄道に技術的再生と復権の契機となった意義は大きい。

 だが高速走行に伴って発生する騒音と振動は、沿線住民の苦情と建設反対運動を招いた。。しかし重い車両が鉄の車輪で鉄レール上を高速で走り、さらに電力をパンタグラフで集電する方式では騒音低減策にも自ずから限度がある。

 旧国鉄はこの問題の抜本的解決とより高速な輸送手段の開発のために、検討を始めたのが、反発型磁気浮上式リニアモーターカーだった。磁力で車体を浮上走行させれば、騒音は大幅に低減できるとの見通しからだった。

 この方式を実現する鍵は強力な磁力を発生できる信頼性の高い超電導磁石の開発だった。そして1972年には鉄道技術研究所内の実験線で浮上走行実験に成功し、次いで1982年には宮崎実験線で初の有人走行実験にも成功した。

 これら一連の実験成果を踏まえて、山梨リニア実験線(写真1参照)が建設され、1997年から走行試験が開始された。この実験線は距離もやや長く地形も複雑で、将来の中央新幹線のルートの一部に当たる所で、実用化に向けた各種試験が繰り返されている。

 2000年には実用化への技術上の目途が立ったと評価される段階にまで到達し、現在は耐久性や信頼性の検証、コスト削減の検討、車両形状と空気特性の比較などの研究が進められているという。

 都留市には実験センターが設置されているが、そのそばに「山梨県立リニア見学センター」がある。当館の展示室には技術関係、実験線関係、インフォーメイションボードなどの展示があり、また展望室からは実験線を疾走する車両が間近に見られる。さらに屋外には車体の実物大模型が置いてあり、内部に入ってその様子を実感できる。

 なお磁気浮上式列車の分野では、ドイツが常電導磁石を利用した吸引型磁気浮上式リニアモーターカーの開発を続けており、2002年末には上海で実用化した。反発型の日本のシステムの方が理論的にも浮上安定性に優れているとはいえ、超低温で作動する超電導磁石を使用する技術上の難しさを抱えている。

 さらに日本は地形が複雑で人口も密集しているから、高速運行のために曲線の緩い路線を確保するのが大変難しい。特に都市部通過のため大深度地下の利用を可能にする法的整備が欠かせない。

 実験線の走行実験を見ていると、浮上しているとはいえ時速500キロの高速なので、ほんの短い時間ではあるが騒音が出る。特に橋梁では鋼材が共鳴するのかゴーというかなりの音が響く。トンネルの出口にも問題が出ているようだ。

 国鉄の分割民営化で現在の開発主体はJR東海に移ったが、東海道新幹線の施設構造物も老朽化が進む年代に到達している。当面する各種問題点を国を挙げた支援で克服し、何とか日本のシステムも早急に実現したいものだ。

 なお当館から田野倉駅への近道の途中に「尾県(おがた)郷土資料館」(写真2参照)がある。ここは1878年(明治11年)に竣工し、1941年(昭和16年)まで使われた擬洋風建築物の旧尾県学校を復元した建物だ。開設当初は2学級の複式学級、明治40年からは6年制3学級複式をしていた。

 館内にはこの学校の歴史と明治以来の教育資料が展示されている。最先端技術の開発も、元をたどれば長い間の教育の積み重ねによる基盤があっての話だ。帰路に立寄って120年以上前の人々が教育へ賭けた熱意と苦労の跡をしのぶのも悪くないだろう。ただ昔の階段は急で手すりもないから、踏み外さないように注意が肝要だ。

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(作成日: 03/02/05、 更新日: )

 

(施設情報参考)名称_住所_電話番号_駅からの概算路線距離(駅からの概略方位と直線距離)・所要時間・バス_展示規模_対象_開館時間(受付終了時刻)_休館日_備考_{施設情報確認日}開閉館時間と休館日はよく変るし臨時休館もある。事前確認が賢明

 

山梨県立リニア見学センター_山梨県都留市小形山 2381_TEL 0554-45-8121_

a)  JR中央線大月駅で富士急線に乗り換え田野倉駅下車後1.8km(20deg.W 1.2km)徒歩24分、タクシーはない

b)  JR中央線大月駅からタクシー約7km 15

c)  JR中央線大月駅から富士急バスの「リニア見学センター」行きを利用し終点下車(バスは約一時間に一本あり、途中に富士急田野倉駅にも寄る)_中_大人子供_

無料駐車場 普通車140台 身障者用15

9:00-17:00(16:30)_

月曜日(月曜日が祝日に当たれば開館し、翌火曜日休館)(もし火曜日が祝日に当れば開館)、祝日の翌日(ただし祝日の翌日が金曜日、土曜日、日曜日に当る場合は開館)、年末年始(12/291/3)_{17/07/07}_

なお走行予定日や時間はJR東海ホームページで事前確認が必要。

 

尾県郷土資料館_山梨県都留市小形山 1565-1_0554-45-0675_

a)JR中央線大月駅で富士急線に乗り換え田野倉駅下車後徒歩1.3km(40deg.W 0.9km)徒歩17分 タクシーはない、

b)中央高速バス小形山バス停下車徒歩45分_

駐車場は隣接の神社に20台_中_大人_

10:00-16:00_

月・水・金曜日(祝日に当たれば開館)12/281/4、館内整理のための臨休あり、(従って開館日は臨休や年末年始を除く火・木・土・日・祝日)_

なお問合せは都留市学びのまちづくり課文化振興担当でも受付ける。0554-43-1111(内線459)_リニア見学センターから北西に1km弱の所_{17/07/07}

 

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