箱根ラリック美術館

宝飾とガラスでよき時代に華を

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 観光地に行くとガラス工芸品を展示する美術館によく出会う。箱根の「箱根ラリック美術館」もその一つだ。当館が位置する箱根仙石原は太古、原始芦ノ湖というべき大きな火口原湖があったという。その湖は流入土砂と早川の侵食によってやがて消滅し、現在の仙石原になった。

 仙石原の一角には天然記念物・仙石原湿原植物群落の成育する湿原があるが、それは陸化した湖のこん跡とされる。仙石原一帯はその成因からも箱根山中としては比較的なだらかな地形になっており、周りに外輪山や中央火口丘を望む開けた土地には多くの保養所や文化施設が点在している。

 当館は宝飾デザイナーでありガラス工芸家でもあった仏人ルネ・ラリック(1860−1945)の作品を分野別に展示し、その多彩な生涯の創作活動を時代背景と共に紹介している。彼はアール・ヌーボーやアール・デコの時代、及びそれに続く第一次大戦後の平和な時代に活躍した。

 アール・ヌーボーを代表するガラス工芸家としては、色々なガラス工芸技法を編み出し、繊細で優美な作品を創作したエミール・ガレ(1846−1904)がよく知られている。ガレよりも14才年下のラリックは長命でもあったから、アール・ヌーボーから20世紀前半に至る長い間創作を続けた。

 アール・ヌーボーの時代、ラリックは宝飾デザイナーやオペラの装飾工芸家として才能を認められたが、アール・デコの時代にはコティ社の香水ビンデザインを手始めに、ガラス工芸の分野を手掛けて名声を得た。その制作範囲は香水ビンから花器・オブジェ、さらに照明器具や室内装飾などに広がった。

 50代になった彼は限られた金持ちの所蔵品になってしまう工芸品や芸術作品の制作から、ガラス製品の工業生産へ転進する。それらは無駄な装飾を省いて使いやすさを追求する近代的美意識に基づく、簡素ですっきりとした製品だった。

 このようにしてテーブルウエアなどの生産事業に進出した彼は、美的センスに富んだ上質の製品を潤沢に供給することを目指した。それはベルエポックと呼ばれるパリのよき時代や第二次大戦前の平和な時代の市民生活へ豊かさや華やかさをもたらした。

 彼は往時のオリエント急行やフランスの大西洋航路豪華船の室内装飾などにも携わり、それぞれに優れた才能を発揮している。当館には彼がデザインした内装ガラスパネルを使用したオリエント急行の車両が保存されており、別料金の予約制ではあるが内部を公開している。

 なお当館の近くにはガラス工芸のテーマパーク「箱根ガラスの森」がある。そこはヴェネチアのガラス職人が長い間に作り上げた華麗な新旧ヴェネチアンガラスを扱っており、展示品の鑑賞やガラス細工の体験なども楽しめる。

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(作成日: 07/03/21、 更新日: )

 

(施設情報参考)名称_住所_電話番号_駅からの概算路線距離(駅からの概略方位と直線距離)・所要時間・バス_展示規模_対象_開館時間(受付終了時刻)_休館日_備考_{情報再確認日}開閉館時間と休館日はよく変るし臨時休館もある。事前確認が賢明

 

箱根ラリック美術館_神奈川県足柄下郡箱根町仙石原186-1_TEL 0460-84-2255_

a)小田急箱根湯本駅から約12km(73deg.W 9.1km)、湯本駅あるいはJR東海道線・東海道新幹線小田原駅から箱根登山バス湖尻・桃源台行きを利用して湯本駅からは約30分、小田原駅からは約45分の「仙石案内所前」下車そば、

b)東京の新宿駅西口近くの小田急箱根高速バス新宿駅(バスターミナル)から約2時間、あるいは羽田空港から小田急箱根高速バスを利用して約2時間40分「箱根仙石案内所」下車も便利_

無料第一・第二駐車場あり、各100台無料_中_大人_

9:00-17:00(16:30)_

年中無休(ただし展示替えなどの臨時休館あり)_{17/05/22