栗田美術館、戸栗美術館

華麗な磁器工芸品はすばらしいが

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 足利市郊外に「栗田美術館」がある。当館はやきものの伊万里と鍋島だけを集めた栗田英男コレクションを公開している。すなわち、伊万里と鍋島の作品以外に対しては一顧だにせずとのコレクターの強い意志で収集された作品が、当館には1万点も収蔵されている。当館の3万坪という広い敷地には本館や歴史館のほか、無名陶工祈念聖堂や休憩施設なとがあり、やきものの公園といった趣だ。

 ところで伊万里とか鍋島といわれても門外漢には区別も付かないが、いずれも江戸時代に現在の佐賀県有田地方で焼かれた磁器のことだ。その中で伊万里とは伊万里津から盛んに積み出された磁器製品で、それはオランダ人の手で長崎からヨーロッパへ輸出されて各国で珍重された。そして積出港名がその名前として定着している。

 また鍋島とは有田地方を支配した鍋島藩が献上品や進物、及び自家用として藩窯で特に念入りに作り上げた色絵・染付・青磁などの作品だ。いずれも洗練された、豪華な、気品の高い、清楚な、格調の高いといった形容詞が当てはまる磁器工芸の最高水準を示す作品である。

 館内には大小様々な作品が多数並んでおり、華やかな雰囲気を醸し出している。例えば華麗な色柄や洗練されたデザインの色絵皿、江戸時代に海外に輸出され戻ってきた伊万里の派手な色柄の大壺や置物、色鍋島と呼ばれる大皿、渋い美しさを見せる染付の水かめや小皿、美しく上品な茶碗、赤い柄を少し描いた柿右衛門様式の皿、金彩が目立つ伊万里金襴手(きんらんで)など、多種多様な作品が見られる。

 それらがケースの中で照明に照らされて美しい姿を見せている。このような作品を作り上げた多くの陶工や絵師の努力と技に対し当館では祈念聖堂を造って尊敬の念を表しているが、それらに注ぎ込まれた彼らの労苦を思えば、もっともな話だと思う。

 ただ、人間は勝手なもので、あまりにも華麗な工芸品に囲まれていると逆に素朴な民芸品の陶器が懐かしくなるから不思議なものだ。過ぎたるは、なお及ばざるごとしなのだろう。

 ところで、伊万里、柿右衛門、鍋島など、有田焼の譜系の磁器を多数収蔵している美術館は東京にもある。すなわち東京・渋谷の「戸栗美術館」だ。この一帯はくしくも旧鍋島藩屋敷跡だったそうで、当館には7千点もの収蔵品を有し、それは有田焼と中国や朝鮮の陶磁器を主としている。

 当館では年4回、テーマを定めてそれらを順次公開している。例えば古伊万里の器、青の意匠、鍋島焼 百花繚乱、古伊万里 はるかな旅といった具合だ。また簡単ではあるが、原石や絵の具、へらや筆、染付け工程の説明などもしている。渋谷なら手軽に行けるから、何回か通えばその大筋を理解できるだろう。

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(作成日: 01/07/15、 更新日:02/02/01 )

 

(施設情報参考)名称_住所_電話番号_駅からの概算路線距離(駅からの概略方位と直線距離)・所要時間・バス_展示規模_対象_開館時間(受付終了時刻)_休館日_備考_{施設情報確認日}開館時間と休館日はよく変るし臨時休館もある。事前確認が賢明

 

栗田美術館_栃木県足利市駒場町 1542_TEL 0284-91-1026_

JR両毛線富田駅から0.8km(W 0.6km)徒歩10分_

駐車場完備、レストラン、カフェー、ショップあり。_中_大人_

9:30-17:00_

月曜日(月曜日が祝日に当たる場合は開館し、翌日休館)、12/281/2(休館日や開館時間は季節により変更する場合あり)_{17/02/18}

 

戸栗美術館_東京都渋谷区松涛(しょうとう) 1-11-3_TEL 03-3465-0070_

a)井の頭線神泉駅北口から徒歩10分、

b)渋谷駅ハチ公出口からは1.1km(80deg.W 0.8km)徒歩15分_

駐車場なし_中_大人_

10:00-17:00(16:30)_

月曜日(当日が祝日に当たる場合は開館し、翌日休館)、展示替え期間、年末年始、(ただし展示ことに休館日の変動あり、要確認)_{17/02/18}