笠間日動美術館、同分館春風萬里荘

パレットに残った画家の個性

(知への小さな旅:トップ→目次→美術品2→)

美術品2へ  目次へ

 笠間市は筑波山北側の盆地にある。この町は古くは笠間藩城下町として、また関東周辺を結ぶ地方街道の宿場町として発展した。笠間焼の産地でもある。さらに日本三大稲荷に数えられる笠間稲荷神社の門前町でもあり、菊祭りに公開される菊人形は有名で、多くの観菊客が訪れる。

nichidoh その神社の近くには「笠間日動美術館」がある。その敷地内にはフランス館、日本・アメリカ館、企画館が建っており、その間に野外彫刻庭園も造られている。当館は印象派、後期印象派、エコール・ド・パリなどで活躍した画家たちの作品、戦後の米国の美術品、及び岸田劉生・藤田嗣治・小磯良平などの作品を収蔵している。

 野外彫刻庭園は小規模だが、日本の代表的な彫刻家の作品が竹林を背景にして置かれている(写真1参照)。そして当館の収蔵品の中で異色なものは明治から昭和までの著名画家の使用したパレットコレクションと、画家の自画像であろう。

 パレットは絵の具を混ぜて色を調える用具だから、画家にとって絵筆と共にもっとも身近な存在だ。そのためパレット上に堆積固化した絵の具の色調や形状などは、描かれる絵によって、画家の個性や作風によって、さらに所属する流派によって変わる。

 部屋の壁面にずらっと貼り付けられた多数のパレットを見ていると、絵の具の使い方や使用ひん度の多い色などは素人目でも各人各様に見える。従って画家の作風を理解する手掛かりにもなるという。このコレクション収集のきっかけはろ、当館の創業者がユトリロ愛用のパレットを見て思い付いたそうだ。

 当館にはまた西洋のアンティーク人形、特に18世紀から19世紀のフランスやドイツで作られた素焼製の頭を使ったビスクドールのコレクションも並んでいる。衣装はいずれも退色しているが、愛くるしい雰囲気は今でも残っている。

 館内の開設によると、当館は日動画廊の創業者長谷川仁・林子夫妻が、笠間藩藩医だった長谷川家祖先の地を選んで開設したという。館内の長谷川記念室には彼らの遺品と共に同家に伝わる道具類などが展示れている。

 なお当館から南へ2.5キロほど行った所に芸術の村がある。この集落は長谷川仁が芸術家や陶芸家に制作と生活の場を提供するために戦後造成した。ここでは現在も約40軒の住居があって、各分野の芸術家がnichido2制作活動を続けている。

 その一角に陶芸や書をよくし、さらに料理と食器の演出を唱えた北大路魯山人(1883-1959)の旧宅が北鎌倉から移築されている。ここは「笠間日動美術館分館・春風萬里荘」として公開され、当美術館のもう一つの目玉になっている。

 この大きな民家は現在の神奈川県厚木市在にあった江戸時代の大庄屋の屋敷だった。魯山人はそれを北鎌倉へ移築し住居兼アトリエとして使っていた。内部には魯山人自作の意匠が随所に施され、室内には彼9作品やその他美術品が置いてあり、彼生前の状態に保たれている(写真2参照)

 それらを参観していると「美的空間で日常坐臥を満たさねば、美しいものを生み出せない」といっていた彼の考え方や美意識の一端をおぼろげながらも理解できるような気がしてくる。広い庭には四季それぞれの花が美しい。

美術品2へ    文書の先頭

(作成日: 05/05/14、 更新日: )

 

(施設情報参考)名称_住所_電話番号_駅からの概算路線距離(駅からの概略方位と直線距離)・所要時間・バス_展示規模_対象_開館時間(受付終了時刻)_休館日_備考_{施設情報確認日}開閉館時間と休館日はよく変るし臨時休館もある。事前確認が賢明

 

笠間日動美術館_茨城県笠間市笠間 978-4_TEL 0296-72-2160_

a)JR水戸線笠間駅から2.0km(45deg. 1.7km)徒歩26分、タクシーあり,

b)笠間駅から市内循環バスを利用し「日動美術館入り口」下車、

c)JR常磐線友部駅から笠間市内観光周遊バス(無料のレトロバス、月曜日運休(月曜日が祝日に当たれば運行し、翌火曜日運休))を利用し同上バス停下車_

近くに市営駐車場 普通車 100台、パレット館前駐車場 普通車20台、その他駐車場もある _中_大人_

9:30-17:00(16:30)_

月曜日(祝日に当たれば開館し、翌日休館)、年末年始、臨時休館あり

また企画展・特別展の前後は展示替えのため常設展のみの開館になる。_

ミュージアムショップ、カフェーあり_{17/03/13}

 

笠間日動美術館分館 春風萬里荘_茨城県笠間市下市毛 芸術の村_TEL 0296-72-0958_

a)JR水戸線笠間駅から1.9km徒歩23(83deg.E 1.6km)、タクシーあり

b)笠間駅から市内循環バスを利用し「春風万里荘」下車

c)JR常磐線友部駅からかさま観光周遊バス(無料のレトロバス、月曜日は運休(月曜日が祝日に当たれば運行し、翌火曜日運休))を利用し同上バス停下車、タクシーあり_

駐車場 第一駐車場 普通車10台、第二駐車場 普通車10台、その他近くに市営駐車場 普通車20台_小_大人_

9:30-17:00(16:30)_

月曜日(祝日に当たれば開館し、翌日休館)、年末年始_茶房あり_{17/03/13}

}