日本銀行金融研究所貨幣博物館

お金のことなら日銀の博物館

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 日銀本店の隣に「日本銀行金融研究所貨幣博物館」があり、ここにはお金に関する豊富な展示がある。その展示内容は物々交換時代から貨幣の始まり、貨幣の形の変遷、和銅開珍に始まる日本の皇朝銭の盛衰、中国貨幣が日本国内で流通した経緯、日本での金貨・銀貨・銅貨の三貨制度の説明、大判や内外紙幣や貨幣の展示などと盛りたくさんだ。

 貨幣の始まりは東洋でも西洋でも大体同じで、紀元前7〜8世紀といわれる。日本では最近、富本銭が発掘された結果、和銅開珎は日本最古の貨幣ではなくなったが、当館では和銅開珎の説明も詳しい。

 和銅開珎は埼玉県秩父で産出した銅が献上されて年号が和銅と改元された708年に鋳造されたが、それから僅か数十年の間に、大和朝廷で鋳造した皇朝銭の価値は一五〇分の一に下落し、社会の信頼を失ってしまった。

 当館の展示を見ていると、時の政治権力はその支出を賄うために、常に通貨価値の下落を起こすことで人民の富を収奪し,余剰を得ようとするものだと分かる。通貨価値の持続的な下落は皇朝銭でも、江戸時代の小判でも、現在の紙幣にしても、まったく同じく認められる現象だ。

 現在でも国の借金を軽減するための方策として、調整インフレ論が一部の政治家・官僚・学者から外国政府までに主張されている。しかし、いかに巧言を並べてみても、これは国民からの借金を価値の下がった金で返済するという、国民からの富の収奪であることは間違いない。

庶民の大切な貯金が、通帳の額面は変わらなくても、その価値を減らして、本人の知らぬ間に国が価値を掠め取るという構図だ。赤ちゃんが生まれた瞬間に君には将来支払ってもらうべき赤字の預金が数百万円、すなわち借金があり、将来それを稼ぎから回収しますよとは恐ろしい。

 自分の政治的地位や立場を守るため国費をばらまき、借金をどうにもならないほど膨らませ、それが返せなくなったら調整インフレでごまかそうという無節操な党や政治家がうようよしている。このような連中はその言動をよくチェックしておいて選挙の際、引退願うしかないだろう。

 インフレ現象に関していえば、第一次世界大戦後の敗戦国ドイツを襲ったそれでは、貨幣価値が一兆二千六百億分の一と、その下落率は数字を見ても見当がつかないほどだ。当館にはドイツの額面100兆マルク扎やハンガリーの10億兆ペンゴ扎が展示されていて、その額面の数字さえ表示出来ない桁数の多さに驚く。物価は毎日時間ごとに上がっていったという。

 当時の人々の苦しみは想像に絶するが、このような凄まじいインフレがナチス台頭の元凶の一つとなったのは間違いない。ナチス党はインフレの原因である過大な対外賠償支払いの一方的停止を主張し、かつそれを実行した。現代、ドイツが物価安定に大きな配慮をするのはその歴史からだ。

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(作成日: 00/03/13、 更新日: )

 

(施設情報参考)名称_住所_電話番号_駅からの概算路線距離(駅からの概略方位と直線距離)・所要時間・バス_展示規模_対象_開館時間(受付終了時刻)_休館日_備考_{施設情報確認日}開閉館時間と休館日はよく変るし臨時休館もある。事前確認が賢明

 

日本銀行金融研究所 貨幣博物館_東京都中央区日本橋本石町 1-3-1日本銀行分館内_TEL 03-3277-3037(直通)_

a)東京メトロ半蔵門線三越前駅B1出口から0.1km徒歩 1分、同銀座線三越前駅A5出口から0.2km徒歩3分、

b)東京駅日本橋口から0.7km(NE 0.3km)徒歩10分_

駐車場 団体見学のバス用だけあり、事前予約制_中_大人子供_

9:30-16:30(16:00)(年内の木曜日は〜19:00(18:30)まで延長)_

月曜日(当日が休・祝日に当れば開館)、年末年始(12/291/4)、展示替えなどの臨休あり_{17/01/13}