岩科学校、長八記念館、伊豆の長八美術館

こて絵で名高いなまこ壁の学校

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 伊豆半島西南岸の松崎町、ここは漆くい画、俗称こて絵の名人・入江長八(1815-1889)の故郷だ。彼は左官職人として活躍する傍ら狩野派の日本画や彫塑を習得して、それを漆くい画の分野に活用し、独自の技法を工夫して多くの作品を描いた。

 その技法は漆くい塗り下地に、こてを使って色漆くいを盛り上げたり、漆くいをこてで彫塑して彩色し立体感を出した。彼は幕末から明治にかけて江戸・東京で多くの作品を手掛けたが、それらは関東大震災や空襲でほとんど失われてしまった。

 幸い松崎町にはまだ若干の作品が残っており、その一つが町郊外の「岩科(いわしな)学校」にある(写真参照)。この学校は1880年(明治13年)に竣工した。玄関の額は太政大臣三条実美の書で、その事実からもその古さが分かる。

 重要文化財に指定されているこの建物は、社寺風に洋風様式を加えた擬洋風建築で、腰壁になまこ壁を張った白漆くい塗りの立派なものだ。設計した棟梁の腕も素晴らしいが、建築費用の4割強は地元村民の寄付といい、彼等の教育への情熱が伝わってくる。

 正面の玄関は来客・教師用、男子生徒用、女子生徒用の三つに分かれており珍しい。館内には校長室・教室・小使室に等身大の人形が置かれ、当時の情景を再現している。また当時の教育資料や建築資料、村の歴史資料や農具・民具なども展示されている。

 この学校は長八のこて絵・千羽鶴でも知られる。客間の床の間を囲む欄間に描かれたその絵では、青空に飛ぶ白い鶴の姿が美しい。鶴の姿は一羽ずつ変えてあるそうだ。この作品は長八が60代半ばの円熟期に描いたものだ。

 そして彼の作品は松崎町内の「長八記念館」と「伊豆の長八美術館」にもある。前者は彼が少年期に学んだ寺で、その再建時に彼がこて絵を描いた。欄間の飛天像や松鶴、天井の八方にらみの龍などは新進気鋭な31歳の作品だ。

 後者は小品を中心に約70点の作品を収蔵している。そこには春暁の図や近江のお兼などの細密なこて絵が展示され、髪の毛まで描くこて使いの巧みさは、こて絵の名人の名に背かない。当館では入館者にルーペを渡し、その細かい技法を鑑賞するように勧めている。

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(作成日: 02/08/25、 更新日: )

 

(施設情報参考)名称_住所_電話番号_駅からの概算路線距離(駅からの概略方位と直線距離)・所要時間・バス_展示規模_対象_開館時間(受付終了刻)_休館日_備考_{情報最終確認日}開閉館時間と休館日はよく変るし臨時休館もある。事前確認が賢明

 

岩科学校_静岡県松崎町岩科北側 442_TEL 0558-42-2675_

伊豆急蓮台寺駅から約25km、下田駅始発蓮台寺駅前を通る東海バスで約50分終点「松崎バスターミナル」(蓮台寺駅からN73deg.W 15km)

下車後3.6km(松崎バスターミナルからS15deg.E 2.4km)は八木山行きバスに乗り換え約7分「岩科学校」下車するか、あるいは松崎バスターミナルからタクシー利用_

駐車場 普通車20台_中_大人_

9:00-17:00_年中無休_{17/01/08}

 

長八記念館_静岡県賀茂郡松崎町松崎 234-1 浄感寺内_TEL 0558-42-0481_

伊豆急蓮台寺駅から約25km(蓮台寺駅からN70deg.W 16km)、伊豆急下田駅(蓮台寺駅も経由)から東海バス堂ヶ島行きで約50分「松崎バスターミナル」下車後1.2km(松崎バスターミナルからS10deg.W 0.9km)徒歩16分、または松崎バスターミナル乗り換えで「長八美術館」下車_

駐車場 普通車 20台_小_大人_

9:00-16:00_寺院なので休みは特に定まっていないが、本堂の天井画だから法事のための一時休みなど不定休あり_{17/01/08}

 

伊豆の長八美術館_静岡県賀茂郡松崎町松崎 23_TEL 0558-42-2540_

伊豆急蓮台寺駅から約25km(蓮台寺駅からN70deg.)、伊豆急下田駅(蓮台寺駅も経由)から東海バス堂ヶ島行きで50分松崎バスターミナル下車後 1.2km(バスターミナルからS15deg.W 1.0km)徒歩16分、松崎バスターミナルからバス利用なら乗り換えて「長八美術館」下車_

駐車場 普通車30台_小_大人_

9:00-17:00_年中無休_{17/01/08}

 

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