入間市博物館、お茶の郷

お茶好きはぜひ見てね

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 埼玉県西部の洪積台地は昔から狭山茶の産地として知られる。入間市には茶畑が点在し、茶畑に立っている防霜ファン(写真参照)は外来者には珍しい。ファンは1980年頃から普及したものだが、最近では自走式茶摘み機も出現しているそうで、茶畑の風景はまた変わりつつある。鹿児島県などの茶畑ではすでに機械化が普及しているそうだ

「入間市博物館」の茶の展示は単に狭山茶の紹介だけではない。茶の起源とその伝播、茶の種類、各国の喫茶習慣、茶器や喫茶室の調度品、日本国内の珍しい喫茶習慣など、茶に関する事柄を広く紹介している。

 茶は雲南地方から四川経由で江南へと普及し、8世紀に陸羽の茶経で中国全土に広まった。7〜8世紀にはアジアへ、16世紀にはペルシャへ、17世紀には日本からヨーロッパへ、18世紀にはアメリカへと広まった。

 お茶の種類や喫茶法にはそれぞれお国柄があるようで、板状に固めた団茶、ミャンマーの食べる茶、チベットのバター茶などが陳列されている。茶器コーナーでも日本・中国・インド・ロシア・英国など、各国のものが展示されている。日本の提藍(ていらん)という携帯用のかわいい煎茶茶器は珍しい。喫茶室調度品の実物展示も興味深い。

 また日本の喫茶習慣のコーナーにはブクブク茶(那覇)、バタバタ茶(富山)、ボテボテ茶(島根)などの珍しい喫茶法が残っている。いずれも茶せんで攪拌する振茶だが、その中にあられ・ご飯・たくあんなどを入れる飲み方をするようだ。

 また同じ茶の製品でも釜炒り茶(佐賀)、碁石茶(高知)、豆入り番茶(福井)などと変わった物がある。さらに結納品に茶を付ける風習も紹介されている。茶樹は植替えが効かず、茶の色は良く染まる点を意味付けたものという。

 当館は地場産業のお茶に関する展示を特色としているが、自然史や郷土史のコーナーもある。自然史ではこの地域で見付かったアケボノゾウの足跡が目立つ。また当地は古代には瓦の生産が、江戸後期から戦前までは織物産業が栄えた。

 その当時、当地では養蚕・紡糸・撚糸・染色・織物などの関連産業が盛況を呈していたが、戦時色が濃くなると生産統制に引っかかり、大戦中には強制転業させられ、戦後は復興しなかった。

 なお当館の敷地は多摩川の造った古い扇状地上にある。それは段丘化した台地(金子台)と、それを川が削って出来た低地(立川面)と両者の間の段丘崖で構成されている。低地には池が、段丘崖にはカスケードと水のある庭園になっている。建物は台地部分に建っているが、その水の乏しい台地上が茶樹の栽培されている土地に当たる。

 他方、静岡は現在日本一の茶産地として知られる。茶は13世紀に当地にもたらされたという。栽培条件が恵まれていたため、江戸時代から盛んに栽培されていたが、特に明治維新後は大規模な茶園が造成されている。

 牧之原大茶園はその代表的なものだ。維新後、静岡に移された徳川家の旗本が牧之原台地の荒れ地に入植し苦労して造成したその茶畑は、広さ5千ヘクタールもある。入植した人の中には、明治になって失業した大井川の川越人足も含まれているという。ここでは明治6年に最初の茶摘が行われた。

 その牧之原大茶園の一角に「お茶の郷」が設置され、博物館に茶室や庭園が併設されている。博物館ではお茶の歴史や種類を説明し、各国の茶器や喫茶室の展示するほか、当館独自のものとして牧之原開墾の歴史や製茶の機械化について説明している。

 なお博物館からは広い大茶園が一望できる。併設の茶室は造園と御殿建築で名高い茶人大名・小堀遠州(15791647)の造った書院建築を、また庭園は彼が築庭した仙洞御所の東庭を復元している。

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(作成日: 00/05/27、 更新日: )

 

(施設情報参考)名称_住所_電話番号_駅からの概算路線距離(駅からの概略方位と直線距離)・所要時間・バス_展示規模_対象_開館時間(受付終了時刻)_休館日_備考_{施設情報確認日}開閉館時間と休館日はよく変るし臨時休館もある。事前確認が賢明

 

入間市博物館 アリット_埼玉県入間市大字二本木 100_TEL 0429-34-7711_

a)西武池袋線入間市駅から6.4km(30deg.W 5.4km), 入間市駅2番乗り場から西武バス「入間市博物館」行き約20分、あるいは二本木地蔵前行きか箱根ヶ崎行きで「二本木停留所」下車後徒歩5分、

b)市内循環バス「ていろーど」北コース(西武池袋線仏子駅から約50)・南コース(西武池袋線武蔵藤沢駅から約35)を利用して終点下車だが、いずれも本数は少ないし所要時間もかかるが茶畑や林のそばを走る_

駐車場 普通車120台_中_大人子供_

9:00-17:00(16:30)_

曜日(祝日または振替休日に当たれば開館し、翌平日休館)

祝日の翌日(その日が土・日曜日または祝日に当たる場合は除く)

第4火曜日(ただし祝日に当たる場合は除く)

12/271/05_{17/05/22}

 

お茶の郷博物館_静岡県島田市金谷富士見町 3053-2_TEL (17/05/29までの問合せ先)0547-36-7409(農林課茶業振興係)_

a)JR東海道本線金谷駅から2.2km(50deg.E 1.0km)歩けば長い坂を上って約29,タクシーあり

b)金谷駅からフジテツジャストライン椿原町・相良営業所行きで約5分「牧原公園」下車近く_

駐車場 あり_中_大人子供_

博物館9:00-17:00(16:30)_

火曜日(祝日に当たれば開館し、翌日休館)12/291/3_

併設の復元茶室(9:30-16:00(15;30))や庭園(9:00-17:00)_

レストランあり_

16/06/01からリニューアルのため当分休館、予定は決まり次第公表_{16/12/20}