お札と切手の博物館

悪に対抗して進むお札の印刷技術

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 近世以降、貨幣に代わって使用に便利な紙幣が多量に使われるようになった。紙幣の印刷といえば、日本では国立印刷局の仕事だ。ここ印刷局記念館には「お札と切手の博物館」が設置されている。

 日本における紙幣の始まりは1600年前後で、伊勢商人の間に使われた山田羽書(やまだはがき)といわれる。もつとも政治権力側が発行したものとしては1661年の福井藩の藩札が最初だった。

 藩札の発行は江戸中期以降、財政難に悩む各藩に広がり乱発された。それを引継いだ明治政府はその整理に苦しんだ。藩札や明治初年に発行された太政官札などは、簡単なデザインの上、印刷技術が幼稚で容易に偽造されたそうだ。

 明治政府は偽造対策のため紙幣の印刷を欧米に依頼したり、招聘したお傭い外国人の力を借りて欧米の進んだ印刷技術の導入を図った。それ以来、現在までに百種近い紙幣が作られているが、当館にはそれが年代別に紹介されている。

 この一世紀間の印刷技術の進歩は素晴らしいが、それも偽造との闘いの結果といえよう。紙幣には普通人物像が刷られているが、近年使われる人物は政治家から文化人へ移るのが世界的傾向という。またその採用基準は知名度のほかに、顔に特徴があり表情が複雑で偽造しにくい人を選ぶそうだ。

 ここには世界各国の紙幣も展示されている。その材質や大きさ、色柄などは千差万別で面白い。特に色柄は国によってお国ぶりが出ている。材質は紙のほかに、革製・金箔製・布製・プラスチック製など珍しいものも並んでいる。

 また館内には第一次大戦後の1兆マルク札(ドイツ)や10億兆ペニゴ札(ハンガリー)などが展示されている。その天文学的な桁の金額の、数えるのにも苦労するような紙幣を見ると、当時のすさまじいインフレの有様が分る。見学者には珍しいものだが、当時の人にとっては絶望的な状態だっただろう。

 日本だって第二次大戦前後にインフレの恐ろしさを体験している。終戦前後でも5銭札・10銭札・50銭札・1円札があり、1円札ともなれば立派なデザインのもっともらしい紙幣だった。それが短期間の内にほとんど無価値になってしまった。すなわち札を持っていても何も買えなくなった。

 印刷局では切手の印刷もしている。切手についても絵葉書大の切手など珍しいものか展示され,そのデザインの変遷や印刷技術の発展が分かる。その他、館内には紙幣の材料や印刷機械、印刷工程などの展示もあり、また印刷局の歴史や印刷物の紹介、明治初期に紙幣印刷で貢献した人々の業績などの説明もされている。

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(作成日: 00/03/21、 更新日: 03/08/08)

 

(施設情報参考)名称_住所_電話番号_駅からの概算路線距離(駅からの概略方位と直線距離)・所要時間・バス_展示規模_対象_開館時間(受付終了時刻)_休館日_備考_{施設情報確認日}開閉館時間と休館日はよく変るし臨時休館もある。事前確認が賢明

 

お札と切手の博物館_東京都北区王子 1-6-1 国立印刷局内_TEL 03-5390-5194_

a)  JR京浜東北線王子駅中央口から明治通りを東へ徒歩5分国立印刷局敷地内

b)  東京メトロ南北線王子駅1番出口から徒歩5

c)  都電荒川線王子駅前下車徒歩5分_

駐車場 なし。近くの有料駐車場利用_中_大人子供_

9:30-17:00_

月曜日(祝日に当たれば開館し、翌日休館)、年末年始、臨休あり_{17/06/02}