時代博物館

源氏物語の名場面を大模型で表現

 

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 西本願寺の門前を通る堀川通を渡って、東から交差する新花屋町通に少し入ると、井筒屋法衣店がある。僧侶のころもを扱うという、いかにも京都らしいこの会社ビルの五階には「風俗博物館」がある。

 

 当館は開設当初、古代から近代までの衣装の実物展示をしていたそうだ。その後、展示内容を平安時代に絞り込み、今では縮尺四分の一の精巧な寝殿造りなどの建物模型の内外に当時の衣装を着せた人形を多数配置して、当時の生活振りを立体的に展示している。

 

 その展示では源氏物語や伊勢物語など平安文学の主要場面がテーマに基づいて具現化されている。名場面に登場する人々の着用していた衣装の色柄などもよく考証されて見事に再現されているから、平安文学に多少でも造詣のある人には興味深いだろう。

 

 展示テーマは半年ごとに変更されるので、六月と十二月は展示替え休館になる。その間に新しいテーマに沿って各場面を作るのだから大変な知的作業を伴うのだろう。例えば137月〜11月期のテーマは「源氏の栄華を彩った二人の御子」であった。

 

 そこでは「冷泉帝(れいぜいてい)〜六条院行幸」「明石姫君(あかしのひめぎみ)と夕霧〜雛(ひいな)あそび」「明石女御(あかしのにょうご)〜皇子立坊と紫上(むらさきのうえ)の重厄」「夕霧〜源氏四十賀(しじゅうのが)」「源氏の子孫〜匂宮(におうのみや)と薫(かおる)」と源氏関連の場面があった。

 

加えて「局(つぼね)〜女房の日常 伏籠(ふせご)と裁縫」「四季のかさね色目に見る平安王朝の美意識」などの当時の貴族社会で暮らした女房たちの生活や、衣装に関する繊細な美意識を具現化して説明していた。寝殿造りなど当時の御殿建築物の大きな模型による展示は、建物中での人々の暮らしぶりをより身近に感じられる。

 

 当館には平安時代の季節ごとの実物大の装束が揃えてあり、それらを服の上に羽織って記念写真を撮れるようにしている。それらは当時の正装だから羽織ると威儀が整いよく映えるので、女性たちは嬉々として記念撮影している。これを機会に源氏物語を含む平安文学の世界に興味を深めればと思う。

 

 ただ当館の展示はあくまでも物語に描かれた場面を具現化したものであり、その対象は王朝文化を堪能できた上層貴族階級の通過儀礼や生活の描写だ。その栄華を誇った彼らでさえ、40歳は老の始まりとして盛大に祝うほど寿命は短かった。

 

 まして民の生活などには斟酌もしなかった貴族政治の下、平安時代を生きた民衆の生活は、衣食住の困難や疫病の蔓延、盗賊や放火事件の頻発、浮浪人の増加などで、社会生活環境が厳しい時代だったといわれる。

 

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(作成日: 14/06/05、 更新日: )

 

 

(施設情報参考)名称_住所_電話番号_駅からの概算路線距離(駅からの概略方位と直線距離)・所要時間・バス_駐車場_展示規模_対象_開館時間(受付終了時刻)_休館日_備考_{施設情報確認日}開閉館時間と休館日はよく変るし臨時休館もある。事前確認が賢明

 

風俗博物館_京都市下京区新花屋町通堀川東入る 井筒屋法衣店五階_ 事務局 TEL 075-343-0001_

a)JR京都駅から市バス9系統のバスで「西本願寺前」下車徒歩約3分、タクシーあり。

b)JR京都駅烏丸口から1.4km(33degs. 1.0km)徒歩約18

c)阪急電鉄京都線四条大宮駅から市バス28番を利用し「西本願寺前」下車_

駐車場 なし_小_大人_

9:00-17:00_

日曜日、祝日、お盆(8/138/17)、展示替期間(6/16/3012/11/6)_{14/06/05}