富士吉田市歴史民俗博物館、河口湖新倉掘抜史跡館

富士信仰の紹介と御師宿坊が

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 河口湖と山中湖を結ぶルート、それは昔の鎌倉往還の一部だが、そのほぼ中間点に「富士吉田市歴史民俗博物館」がある。富士吉田市は富士山や富士五湖観光の拠点になっているが、江戸時代には富士講御師(おし)の集落が北口本宮富士浅間神社の門前町を形成して、富士講登拝の本道としてにぎわった。

 富士講で参詣登山をする人々(道者)は登拝前に精進潔斎をする。御師はその宿泊の世話や祈祷をする神職である。当博物館は富士信仰や富士講の説明、道者の登山用具や衣装の展示、御師と檀家の関係などを詳しく説明している。

 富士山を拝む風習は太古からあった。当初はまだ活動を続けていた富士山の噴火を静める目的で遥拝していたが、平安時代になると山岳仏教の影響を受けて山内修行が行われるようになった。室町時代には修行者のほかに、一般の信者(道者)の参詣登山(登拝)も増加した。

 江戸初期には長谷川角行(はせがわ・かくぎょう)によって富士講の源が作られた。それを弟子たちが継承発展させたから、富士講は江戸を中心として大いに広まった。上吉田には御師の宿坊が最盛期には約百軒もあって、夏の登拝期には集団登拝する檀家の道者たちの世話をしていた。当館には重要文化財の御師の宿坊が移築保存されおり内部を参観できる。

 また当地は高冷な火山灰地にあるので、その厳しい風土が形成した風習や生活、及び産業についても紹介している。この風土では農業生産力は低いから、昔はどこの家でも絹織物の機織で生活を補っていた。そのようにして作られた甲斐絹(かいき)と呼ばれる郡内織物の説明もある。江戸中期には郡内縞の着物が江戸で流行した。

 そして当館でもう一つ目に付くのは、新倉掘抜(あらくらほりぬき)工事の説明だ。河口湖は溶岩流によるせき止め湖であり、プールのような地質構造になっているので水はけが悪い。そのため降雨後に度々水位上昇を起こし、湖畔一帯に水害をもたらした。その反面、隣接の旧新倉村は溶岩台地に遮られて水無し村として貧困に苦しんだ。

 両地区を導水路で結べば一挙両得というのが工事の狙いだった。工事は1690年(元禄3年)に領主によって着工された。しかし一応貫通はしたものの、脆くて透水性の大きい地質的な特色から落盤と漏水が多く、通水できず放棄されてしまった、

 それから約150年経過してトンネルの存在は人々の記憶からすっかり消えていたが、崖崩れか起きた時に昔のトンネルが偶然発見された。それを契機として工事の再開が決まった。

 漏水の多い所は迂回して岩盤部に坑道を掘り直し、工事再開後19年の苦闘を経て、1866年(慶応2年)にトンネルは完成した。完成はしたが、やはり漏水で当初は十分な通水量を確保できず新田開発も僅かで、工事費の負担が村に重くのしかかった。

 トンネルの高さは大人が立って楽々歩ける程度、幅は1メートルぐらい、延長は4キロ弱の素掘りだった。このトンネルは完成後、約50年間使用され、現在は新トンネルの完成によって役目を終えている。

 河口湖畔にある「河口湖新倉掘抜史跡館」にはそのトンネルの一部が公開されている。荒々しい岩石がむき出しの素掘りトンネルは曲がりくねっており、火薬がまだ掘削に利用されなかった時代なので、岩盤を火で熱した後に急冷して脆くったところを掘ったという。このトンネルを見ると手掘りで堅い岩盤を掘る工事の労苦がよく伝わってくる。

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(作成日: 00/08/14、 更新日: )

 

(施設情報参考)名称_住所_電話番号_駅からの概算路線距離(駅からの概略方位と直線距離)・所要時間・バス_展示規模_対象_開館時間(受付終了時刻)_休館日_備考_{施設情報確認日}開閉館時間と休館日はよく変るし臨時休館もある。事前確認が賢明

 

富士吉田市歴史民俗博物館(ふじさんミュージアム)_山梨県富士吉田市上吉田 2288-1_TEL 0555-24-2411_

富士急線富士山駅から4.0km(20deg.E 3.0km)、富士急バス・山梨交通バスで駅から山中湖・平野方面行きで約12分「サンパーク富士前」下車そば_

駐車場 無料あり_中_大人子供_

9:30-17:00(16:30)_

火曜日(当日が祝日に当れば開館)、祝日の翌日(日曜日や祝日に当れば開館する)、年末年始_{17/01/23}

 

河口湖新倉掘抜史跡館_山梨県富士河口湖町船津 4224-2 食事処陣笠のビル1B1F_TEL 0555-72-3060(食事処陣笠)_

富士急線河口湖駅から0.8km(N 0.5km)徒歩約10(137号線が河口湖に到達した所)食事処(ほうとう)陣笠の入っているビルの1階B1階_小_大人子供_駐車場 3台_

9:00-17:00(7月中旬から8月には時間延長あり)_

(祝祭日は除く)(夏季は無休)_{17/04/30}