報徳博物館、小田原市尊徳記念館

現代に光る二宮金次郎の教え

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参照(農政思想B)  参照(農政思想C)  参照(多面的考察B)

 小田原市は二宮尊徳(17871856)の出生地だ。年配の方なら薪を背負って本を読む二宮金次郎の像が、校庭に必ずあったのを思い出すだろう。戦争中は、彼の勤労節約と勉学の面だけが偏って強調されたため、戦後は顧みられなくなった。

 しかし、それは彼のかん難辛苦の生きかたのみを強調した為政者の方が悪いのであって、彼の思想は今日的な意義を持った貴重なものと思う。そのことは彼の生涯とその思想、及び行動の全体像を知ればよく分かる。「報徳博物館」はややむずかしいが、彼や彼の家族、並びに門人の遺品や書状を展示して、彼の報徳思想を紹介している。

 彼は当地の中級農家に生まれたが、幼時に起こった酒匂(さかわ)川の洪水や父母の死によって貧困化した。だが彼は才気と倹約、及びかん難辛苦の労働によって若くして家を再興し、次いで小田原藩内の農村復興や藩士の家政再建にも活躍した。

 藩主の大久保氏はその実績を認め、その推挙によって水野忠邦は彼を幕臣に取り立てた。その後、彼は関東一円から福島・静岡に及ぶ各地で荒廃した農村の復興に生涯を捧げ、栃木県今市で業半ばで没した。

 彼は身長182センチ、体重94キロという巨漢だったが、俳句などもたしなみ、学問は儒学のほか、現在の言葉でいえば経営・会計・土木技術などの学問を学んで、それを活用する才にも恵まれた。

 また彼はいわゆる三極、あるいは四極発想法をする人だった。すなわち何事も多面的に、かつ相互に関連性を持たせて把握し考えることの重要性を教えている。そして自分の側だけの一方的な見方を戒め、さらに事に着手する際は、その事前調査を徹底的にしている。

 例えば人間のことなら老若男女の各立場から、植物ならば種・草・花・実の各段階を、また農村復興では救急・復興・開発・永安といった具合だ。また分をわきまえた生活と相互の助け合いを指導している。彼は大久保家の分家・桜町領の復興に赴く際には、一家を廃して万家を興すとして、自己の家産一切を整理して赴任している。

 なお市内の酒匂川のほとり栢山(かやま)に尊徳の生家が残り、そばに「小田原市尊徳記念館」がある。生家は彼が16才まで住んだ家で、18世紀中ごろ建てられたと推定されている。建物は当時の中流農家の造りになっており、生誕地へ移築復元された建物は県の指定文化財建築物になっている。

 当館は彼の生涯をやさしく紹介し、遺髪・遺品・手紙などを展示している。また彼が晩年に手掛けた農村復興計画書の「日光仕法雛形」などの説明もしている。彼の事物に対する観察力は鋭かった。彼は食べたナスが秋ナスの味だとして検討を進め、冷害の襲来を察知した。これにより天保飢饉の被害を予防した話は有名だ。

 近年のバブルに踊った挙句に借金を棒引きにしろという手合いや、放漫経営の付けを関連会社に回して平然としている、あるいはシェア争いに踊った果てに余剰施設を公費で買い上げろという経営者?、既得権益にしがみつき我田引水をしようとする政治屋などの行動様式は、報徳思想の対極にあるものといえるだろう

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(作成日: 00/04/01、 更新日: )

 

(施設情報参考)名称_住所_電話番号_駅からの概算路線距離(駅からの概略方位と直線距離)・所要時間・バス_展示規模_対象_開館時間(受付終了時刻)_休館日_備考_{施設情報確認日}開閉館時間と休館日はよく変るし臨時休館もある。事前確認が賢明

 

報徳博物館_神奈川県小田原市南町 1-5-72_TEL 0465-23-1151_

JR東海道線小田原駅から1.3km(15deg.W 0.8km)徒歩17分、タクシーあり、

箱根登山バスも途中までなら利用可_中_大人_

9:00-17:00(16:30)_

水曜日、祝祭日の翌日、年末年始、臨休あり_{17/03/02}

 

小田原市尊徳記念館_神奈川県小田原市栢山 (かやま)2065-1_TEL 0465-36-2381_

a)小田急線富水(とみづ)駅から1km (5deg.E 0.6km)徒歩13(小田急で東京方面から行くなら栢山駅の方が一駅手前で歩行距離もさほど代わらないが車両輻輳のため、富水(とみず)駅からの方がずっと歩きやすい)

b)小田原駅から栢山行きバスで「尊徳記念館」下車_中_大人子供_

9:00-17:00(16:30)_

年末年始(12/281/3)だけ_

ただし図書室は毎月第4月曜日も休室(もし第4月曜日が祝日に当たれば開室し、翌日休室)

また二宮尊徳生家は同一敷地内に保存されている。_{17/03/02}

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