彦根城博物館、掛川城、徳島城博物館

復元された大名の表御殿

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参照(御殿B)  参照(御殿C)  参照(御殿D)  参照(御殿E)

 琵琶湖の東岸、彦根市には彦根城があり、天守閣は国宝に指定されている。城内には天秤櫓のほか、幾つかの櫓も残っており、それらも重要文化財になっている。その城内に表御殿が復元され「彦根城博物館」として使われている。

 表御殿の中でも奥向(おくむき)や茶室・能舞台は木造で、内部の造作まで当時の姿に復元された。その作業に当たっては、発掘調査の結果と往時に作られた紙製立体模型などが役立ったという。また庭園も復元された。

 当館は徳川譜代筆頭の井伊家に伝わる刀剣や武具、雅楽器、能面や能衣装、茶道具や調度品、書画・古文書などを収蔵している。当館ではそれらを武家の備え、幽玄の美、数寄の世界、雅楽の伝統、風雅のたしなみ、古文書が語る世界などのコーナーに分けて公開している。

 その中には国宝の彦根屏風や大老井伊直弼(なおすけ)の書や著書「茶湯一会集」、その他関係資料も含まれ、順次展示されている。維新後は悪玉扱いにされる場合の多い直弼だが、彼の生涯と、その信念や教養を知れば、彼は旧体制側の人だとしても、一般の見方は尊皇攘夷派側へかなり片寄っていることに気付くだろう。

 彦根城には天守閣や櫓のほかに内堀と外堀も残り、その間に庭園の玄宮園や、直弼が部屋住みの不遇な時代を過ごした埋木舎(うもれぎのや)などがある。なお江戸時代の面影は城内ばかりではなく、市内各所にも色濃く残っている。 

 一方、彦根城と保存状態が逆なのが、静岡県の「掛川城」だ。天守閣は近年木造で再建されたものだが、御殿は幕末に使用された建物で重要文化財に指定されている。掛川藩は譜代の大名家が次々に交代し、最後は太田氏5万石が120年間在城して維新を迎えた。従って御殿は小藩のもので規模的はそれほどではないが本物だ。

 安政年間に起きた一連の大地震で、1854年に城の大部分が倒壊した。その際、御殿など必要な建物は直ちに復旧されたが、天守閣は江戸時代には復旧されなかった。近年、城の再建ブームによって、天守閣は木造で再建された。再建に当たっては当市へ移住してきた個人の寄付金5億円が大いに役立ったという。

 御殿は明治以降、学校・町役場・市役所・消防署などに転用されていたが、近年復元され内部を公開している。厨房部分は失われたままだが、その他の部屋は元どおりに復旧され、当時の役所部分、藩主の居室、対面所などの造りを知ることができる。

 京都の二条城は別格としても、大名家の邸宅や藩の政庁などは部分的ではあるが、各地にいくつか残っている。それは庭園でも同じだ。庭園として殊さらに造営された後楽園や兼六園はもちろんだが、御殿付属の庭にも立派なものが現存する。

 例えば徳島市にある旧徳島城表御殿庭園は400年前に作庭された桃山式庭園で、国の名勝に指定されている。この庭は関が原合戦に西軍として参戦した茶人武将の作と伝えられ、戦国武将らしい作風の見事な庭だ。

阿波産の青石・紫雲石・御影石などの石材や黒碁石を使って、枯山水や池泉を仕上げた池泉回遊式庭園である。表御殿跡に建てられた徳島市立徳島城博物館」のラウンジから庭は眺められるし、園内の散策もできる。

当館は徳島藩25.7万石の藩政資料や蜂須賀家伝来品の展示、城下の暮らしぶりの紹介をしている。また藩主所用の鯨船・千山丸(重要文化財)の実物も保存している。徳島城は明治初期に取り壊されたので建物は残っておらず、鷲の門が復元された程度だ。当館には御殿の精巧な模型がある。

 蜂須賀家は秀吉がまだ籐吉郎と呼ばれた時代からの深い関係を持ち、秀吉の天下統一に大きな貢献をした家柄である。そのため関が原合戦前夜には難しい立場に立たされたが、領地を豊臣秀頼に返上するという他の大名とは異なった身の処し方で巧みにすり抜けた。

 阿波は阿波藍をはじめ、タバコ・砂糖・塩・わかめ・みかん・和紙・石灰などの特産物に恵まれ、しかも消費地の京大坂も近い有利な条件を持っていた。それでも徳島藩は江戸中期以降極度の財政難に苦しみ、そのまま幕末を迎えている。その商品作物栽培偏重政策は主食の不足を招き領民を苦しめた。

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(作成日: 99/10/14、 更新日: 04/06/06)

 

(施設情報参考)名称_住所_電話番号_駅からの概算路線距離(駅からの概略方位と直線距離)・所要時間・バス_展示規模_対象_開館時間(受付終了時刻)_休館日_備考_{施設情報確認日}開閉館時間と休館日はよく変るし臨時休館もある。事前確認が賢明

 

彦根城博物館_滋賀県彦根市金亀町 1-1_TEL 0749-22-6100_

JR東海道線(びわこ線)彦根駅西口から1.1km(70deg.W 1.0km)徒歩15分_

駐車場 なし 近隣の有料駐車場を利用_中_大人_

8:30-17:00(16:30)_

休館日は

17/10/1210/2011/2912/0712/2512/31

18/02/072/083/09

(このほか展示替えのため一部展示室の休室もある、ほぼ毎月に2〜3日ほど)_{17/08/02}

 

掛川城天守閣・御殿_静岡県掛川市掛川 1138-24_TEL 0537-22-11460537-21-1149(市役所商業労政観光課)_

JR東海道線掛川駅から0.7km(S 0.5km)徒歩10分_中_

駐車場 有料あり_大人子供_

(2/110/31)9:00-17:00

(11/11/31)9:00-16:30

(天守閣・御殿共に入館受付はいずれも閉館の30分前まで)_

12/301/1だけ、ただし御殿は年中無休_{17/03/02}

 

徳島市立徳島城博物館_徳島市徳島町城内1-8 徳島中央公園内_TEL 088-656-2525_

a)JR徳島駅から0.8km(S76degE 0.4km)徒歩15分、

b)駅前バス乗り場から徳島市営バスに乗車し「徳島公園鷲の門前」下車後徒歩5分_中_大人_

9:30-17:00(16:30)_

月曜日(祝日に当たれば開館)、祝日の翌日(日曜日・祝日に当たれば開館)12/281/2

特別展開催準備、館内くん蒸_{17/07/07}