千葉市立郷土博物館

中世には城下町もあったけど

 

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 千葉市中心部の高台・亥鼻台(いのはなだい)には、近世城郭風の「千葉市立郷土博物館」がある。当館は千葉市の歴史や民俗と近代の発展について紹介している。ところで千葉市には、城があったかな?といぶかる人もいると思われる。

 

 確かに全国の各大都市に比べると、千葉市は目ぼしい歴史的事物や事件のない所だ。それは近世の立派な城郭や宿場町、あるいは天下分け目の合戦の場とか、ごく一時期でも着目すべき出来事あったかという基準で考えた場合の話だ。

 

 例えば札幌市は北海道開拓の拠点として、仙台市は大藩の城下町として、静岡市は今川・武田・北條各氏の戦国騒乱の場や大御所家康の居城など、堺市は中世の対外貿易と自由都市として、横浜市は安政の開港と海外文化の流入で、神戸市は福原の都と一の谷合戦や湊川合戦及び幕末の海軍操練所の設置など、福岡市は元寇や城下町などとして知られる。

 

 もちろん千葉市にも太古から人が住んでいたからそれ相応の歴史はあったが、全体的に地味なのだ。例えば縄文時代には海進によって千葉市の奥まで海が侵入していた時期があった。そのため当地では魚や貝類が多量に採取できたので、大きな集落が発達し、加曾利貝塚という日本最大の貝塚が残った。

 

 古事記には「知波野」という地名がすでに記載されているそうで、千葉の語源になったとの説もあり、大和政権下では千葉国造(ちばくにのみやつこ)が任命され、当地より少し西方の地に国府を構えていた。

 

 平安時代には桓武平氏の流れを汲む平忠常が現市内の土気(とけ)に大椎城を築き、その曾孫の平常重は同市都心部の高台・亥鼻台に千葉城を築き移り住み千葉氏を名乗った。その息子常胤(つねたね)は下総(しもうさ)国守護に任じられた。

 

 鎌倉幕府の成立に当たって、常胤は源頼朝の創業を積極的に援助したので、頼朝に重用され有力御家人になった。彼は本領とその一族は下総のほかに、上総や相馬・郡上八幡・佐賀など全国各地に所領を得た。常胤は六人の子息をその領地に配し、妙見信仰による固い結束で千葉六党という強力な武士団をつくった。

 

千葉城の城下町は関東地方で鎌倉に次ぐ規模に発展したという。千葉氏は事後約300年の間、下総一帯にその勢力を保った。だが15世紀になると関東平野は鎌倉府の公方とそれを補佐すべき管領の争いが再三発生し、やがて足利幕府がそれに介入し、さらに後北條・上杉・里見各氏の覇権争いも加わって混戦状態になった。

 

 固い結束を誇った千葉六党も加勢する勢力の違いから一族合い争う事態になり、結局宗家の千葉城は落城して、その城下町も消滅した。宗家の一族は佐倉に拠って千葉氏は存続したが、秀吉の小田原攻めの際、北條方に加担したために滅亡した。

 

 江戸時代には市内の一部は佐倉藩領となり、藩米や産物の積出港が設置され、倉庫や問屋が建ち宿場も立地したが、往年の繁栄には遠く及ばなかった。維新後は県庁所在地になり、市内外にあった広い採草地や牧などを転用して軍事施設が相次いで設置された。

 

 しかし二次産業はサツマイモを原料とする澱粉工場程度が立地した程度で余り振るわず、長く消費都市の段階に留まった。しかし1940年(昭和15年)に戦時経済への移行を強めた政府が、東京湾臨海工業地帯造成計画を決定し、以来工場用地の造成が推進された。

 

 戦後も大型工場や火力発電所が進出し、工業港の造成や陸上交通手段の改善が行なわれて、当市もようやく二次産業の本格的発展期を迎えた。人口も急増し、今や政令都市にもなったが、社会基盤はまだ今ひとつで発展段階にある。

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(作成日: 11/06/28、 更新日: )

 

 

(施設情報参考)名称_住所_電話番号_駅からの概算路線距離(駅からの概略方位と直線距離)・所要時間・バス_展示規模_対象_開館時間(受付終了時刻)_休館日_備考_{施設情報確認日}開閉館時間と休館日はよく変るし臨時休館もある。事前確認が賢明

 

千葉市立郷土博物館_千葉市中央区亥鼻1-6-1_TEL 043-222-8231_

a)JR千葉駅から(53degs.E ) 駅前バスターミナル7番乗り場で京成バス千03「大学病院」あるいは千04「南矢作」行きを利用し「郷土博物館・千葉県文化会館」下車後徒歩3分、天守閣風の建物

)JR千葉駅で下車し、千葉都市モノレールに乗り換え「県庁前」下車後徒歩13

c) JR 外房線本千葉駅で下車し、徒歩15分_

駐車場 普通車 無料25台_中_大人_

9:00-17:00(16:30)_

月曜日・祝日(月曜日が祝日に当たれば、翌日休館)、年末年始(12/291/3)、臨時開館や臨休あり_{17/08/02}