大宮盆栽美術館

手塩に掛けた見事な盆栽を見る

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 時々博物館入りという言葉が使われるが、それは時代遅れの物を指す場合が多い。確かに博物館にはその性格上、古い物が多数陳列されている。だが法律上、博物館の範ちゅうに入る施設でも水族館・動物園・植物園などは生き物を扱っている。

 かつて東京・市ヶ谷にあった高木盆栽美術館もその一つだった。その規模は小さかったが、園芸趣味の一つとして日本で独特な発展をとげた盆栽に焦点を当てており、館内は静かな雰囲気に保たれていた。まずそこでの展示と解説によって盆栽の概要に触れて見よう。

 盆栽は盆樹となる植物を鉢仕立てにして、できるだけ自然本来の姿を残すように配慮しながら長い間手塩にかけて育成したものだ。それは日本人に好まれて発展してきたが、今では世界中にBONSAI愛好者が増えている。

しかし近年の園芸ブームが盆栽熱を高めているかといえば、必ずしもそうではないらしい。盆栽趣味は金も手間も掛かる息の長いものだ。長い間手塩にかけて育てて行くこと自体に楽しみを見出す物だから、せっかちな現代人には取っ付きにくいのかもしれない。

 日本の盆栽趣味は平安時代に遣唐使がもたらしたという。それ以降、公家・武家・禅僧の間に広まり、江戸初期には将軍家を始め大名・旗本などに愛好され園芸熱は高まった。盆樹の吟味は元より、鉢(盆器)にも凝った焼き物が作られ、ステータスシンボルとして豪奢とか艶やかさなどが追及されたそうだ。

江戸中期以降は庶民にも盆栽ブームが広がり、オモトやカラタチバナの珍品奇種を求めて投機的な取引も行われ、いわゆる邪道へ踏み込んだ。この傾向に対して、中国伝来の風雅を重んじる文人趣味による文人盆栽の流れもあり、明治以降はこれが主流となって自然美盆栽へと発展して行った。

 盆栽には松柏類、葉物(モミジ・カエデ・ヤナギなど)、花物、実物(クワ・カキ・ユズなど)と樹種での分類や、模様木(もようぎ、松のように曲がった木)・直斡・株立ち・懸崖・その他の樹形による分類などもなされて、多くの種類に分けられる。

 当館では四季それぞれを表す見事な盆栽を毎週入れ替えて公開していた。薄暗い室内展示は盆栽にとって過酷な環境のため、展示品は毎日閉館時間に屋外へ出して日光や外気、あるいは露などに当てて養生していた。

 盆栽では盆樹が主役だが、鉢などの盆器、水石(すいせき)や飾り台も観賞の対象になる。鉢でも江戸時代は手の込んだ、あるいは美麗な焼き物が流行したが、明治以降は清から輸入された風雅を重んじる古渡物やその系列の無地無釉(むじむゆう)の焼き物が珍重された。

当館ではそれらも多数収蔵しており、テーマを定めて公開していた。また盆栽関連の浮世絵も飾っていた。当館は盆栽に熱心なシュレッダー・メーカーのオーナーが創立し、その本社ビル内に設置されていた。屋上庭園には樹齢約500年のすばらしい五葉松があった。

それらを見れば盆栽に縁のない筆者でもその素晴らしさが少しは分ったような気がした。しかし都内のビル屋上の環境は盆栽にとって余り好ましくなかったため、当館は2004年に閉館した。高木コレクションは以後紆余曲折を経て、現在では「大宮盆栽美術館」に引き継がれ、その中心的存在になっている。

さいたま市の北部・土呂(とろ)町に造られたこの美術館は、盆栽村として世界的に有名な盆栽町に隣接している。この美術館は同地で営業している盆栽業者の協同組合の協力を得て運営され、庭には季節に応じた盆栽が展示されている(写真1,2参照)

なお盆栽村では各業者が各々特徴を持った盆栽を取り扱い、それらを公開しているので、美術館帰りに寄り道すればよい。休憩施設四季の家もあるので散策には便利だ。

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(作成日;01/10/20 更新日; 11/11/14)

 

(施設情報)名称_住所_電話番号_駅からの概算路線距離(駅からの概略方位と直線距離)・所要時間・バス_規模_対象_開館時間(受付終了時刻)_休館日_備考_{情報再確認日}開閉館時間と休館日はよく変るし臨時休館もある。事前確認が賢明

 

さいたま市 大宮盆栽美術館_さいたま市北区土呂町2-24-3_TEL 048-780-2091_

a)  JR宇都宮線(東北本線)土呂駅(とろえき)東口から0.4km徒歩6(30degs. 0.3km)

b)  東武野田線(アーバンパークライン)大宮公園駅からは盆栽村のけやき通りを歩いて0.9km徒歩12(5degs.E 0.6km)_

小_大人_

駐車場 普通車39(2時間まで無料)_

(310)9:00-16:30(16:00)

(112)9:00-16:00(15:30)

木曜日(休日に当たれば開館)、年末年始、展示替えなどの臨休あり_{17/06/14}