滋賀県立安土城考古博物館、安土城天主 信長の館、安土城郭資料館

城郭の概念を変えた短命の名

(知への小さな旅:トップ→目次→遺跡・史跡→)

遺跡へ  目次へ  関連へ

 今は周囲を水田に囲まれて静かな風景を見せる安土山、この小山はかって日本統一の拠点として脚光を浴びた。この山全体が当時の安土城であり、大手口から階段を上って行くと、家康邸・秀吉邸・信忠邸・二の丸・本丸・天守台などの表示が目に付く。二の丸には信長の廟所もある。

安土城跡は発掘調査が継続中で、次第にその全貌が解明されつつある。廃城後、安土城の石材は他城に転用されたものの、本丸跡の辺りには厳重な構えの穴太(あのう)積の石垣が残り、広い天守閣跡には礎石群が残る。現在、信長時代の姿を留める建造物は山内にある総見寺の三重塔と仁王門だけだ。

 そして山上から東北方向を望見すると、この城が北方からの道を遮断する好位置を占めていて、この城のある限り大軍でも容易に上洛できない障害であるのが良く分かる。それは陸路だけではない。琵琶湖の水上交通も抑える所で、正確な地図もない時代にこの地を良く選んだものだと思う。

 安土山から少し歩いた観音寺山麓に近江風土記の丘が造られ、「滋賀県立安土城考古博物館」が設置された。当館には古代から文化の進んだ近江地方の考古資料や中世戦乱の世で覇を争った各地豪族の城郭を説明すると共に、安土城跡の説明も詳しい。

 館内には安土城跡の大きな地形模型が置いてある。それを見れば当時の安土山は湖に突き出した半島で、防御の堅い城郭だったのがよく理解できる。近世以来、徐々に干拓が進み、今では西の湖(琵琶湖の内湖)や水郷地域が残る程度になった。

 なお西の湖について付言すると、戦時中食糧増産のため、その干拓事業が大々的に進められた。その過程で水を抜いたとき水の中に隠れていた巨石の列が安土城から京都方面にまっすぐ湖内に並んで残っていた。それは緊急時の隠された軍用道路か、または湖水から船で侵入する敵に対する防御施設かは知らないが、築城に当たっての深慮を示している。

写真は豊臣秀次が安土城の残存資材を転用して築いたといわれる近江八幡城城址から東北東に約5.4kmの安土城址を遠望した風景であるHI370133(写真参照)

屏風絵などによると安土城天守閣は、近世の天守閣の最上部へ楼閣を乗せたような珍しい姿をしていたそうだが、短命だった。当館には安土城炎上の証拠となる溶融した陶器などが展示されている。

 当館のそばに「安土城天主 信長の館」がある。ここには安土城天守閣の五層六層部分(楼閣部分)を原寸大で復元した建造物が展示されている。これはセビリア万博へ出展された展示物を引き取り、その後の歴史調査の成果から新たな絵や装飾を加えている。

 朱や黒の漆塗りの床と、金箔の地に釈迦説法図や飛天を描いた天井や壁を持った豪華けんらんな造作は見る者を驚かす。姫路城など近世の天守閣は、その外観の優美さとは裏腹に内部は実戦本位の荒っぽい造りだが、安土城天守閣は信長の居住所だったから華麗な御殿造りになっていたようだ。これはかなり想定部分を含んだ復元品とはいえ、それなりの見栄えのする立派なものだ。

 また安土駅の裏には「安土城郭資料館」がある。安土城は1579年に完成してから僅か3年で焼失した。そのため正確な構造を記載した資料が見付からず、近年まで天守閣の姿やその内部は屏風に描かれた絵と文書から推定するだけだった。

 従ってその正確な姿や構造に関しては、まだ激しい論争が続いている。当館には内藤昌氏の復元案を元にして作られたと思われる天守閣の大きな模型が置いてあり、それを二分割して内部の構造が分かるようにしている。また信長の命令でローマへ行った天正少年使節の行程を描いた延長22メートルの屏風絵風の陶板壁画も飾られている。また喫茶コーナーでは信長も味わったといわれるエスプレッソやカプチーノも飲めるから旅の一興になる。

 これらの施設を見て、外国まで伝えられた画期的な名城を築いた信長の非凡さが少しは理解できる気がする。なお観音寺山は近江南部の守護佐々木六角氏の本拠で、信長の攻撃によって落城した。山内に無数のくるわ跡が残っている。

遺跡へ    文書の先頭

(作成日: 99/10/22、 更新日: )

 

(施設情報参考)名称_住所_電話番号_駅からの概算路線距離(駅からの概略方位と直線距離)・所要時間・バス_展示規模_対象_開館時間(受付終了時刻)_休館日_備考_{施設情報確認日}開館時間と休館日はよく変るし臨時休館もある。事前確認が賢明

 

滋賀県立安土城考古博物館_滋賀県近江八幡市安土町下豊浦6678_TEL 0748-46-24240748-46-4234(安土町観光案内所)0748-46-7049(安土町観光協会)_

JR東海道本線(びわこ線)安土駅から2.3km(55deg.E 1.7km)徒歩30分、タクシーやレンタサイクルあり。

安土駅前から市内循環あかこんバスが現地まで一日4本運行している。_中_大人子供_

9:00-17:00(16:30)_

月曜日(月曜日が祝日・休日に当たる場合は開館し、翌日休館)12/281/4_{17/01/31}

 

 

安土城天主 信長の館_滋賀県近江八幡市安土町桑実寺800_TEL 0748-46-65120748-46-4234(安土駅前観光案内所)0748-46-7049(安土町観光協会)_

JR東海道線(びわこ線)安土駅から2.3km(60deg.E 1.7km)徒歩約30分、タクシーやレンタサイクルあり、バスなし。_

駐車場 普通車 350台_中_大人子供_

9:00-17:00(16:30)_

月曜日(祝・休日を除く)、祝休日の翌日(火曜日の場合。ただし土・日曜日・お盆の期間に当たれば開館)、年末年始(12/281/4)_{17/02/28}

 

 

安土城郭資料館_滋賀県近江八幡市安土町小中700_TEL 0748-46-56160748-46-4234(安土駅前観光案内所)0748-46-7049(安土町観光協会)_

JR東海道線(ひわこ線)安土駅から0.2km安土駅横の地下通路を通り駅の反対側の安土駅南広場に面している、徒歩2分(SE 0.1km)_

駐車場 普通車20台、その他近くに駅前南広場駐車場あり。_小_大人子供_

9:00-17:00(16:30)_

月曜日(祝日を除く)、年末年始_{17/02/28}