一級建築士対策 学科W(構造) Q.006解答


○(正解)

  1. その通りです。靭性とは粘り強さ(エネルギーの吸収能力)です。靭性が高い(エネルギーの吸収能力の高い)構造形式は強度が小さくても耐震性が高くなります。逆に靭性が低い構造形式は強度で抵抗するしか無いので強度を上げる必要があります。靭性が高い構造形式ほど保有耐力計算におけるDsが小さくなり、必要保有水平耐力Qunも小さくて済みます。一般的にはRC造で言えば、純ラーメン構造は靭性が高い、耐震壁 付きの構造形式は靭性が低くなります。変形がしやすいほど靭性は高くなります。



  2. 建物に作用する地震力は建物重量が大きいほど、大きくなります。よって、軽量化を行う事は耐震性が 向上します。重量に軽い仕上げ材を使用する。通常は余り使用しませんが、軽量コンクリートを使用するのも 有効です。



  3. 剛性率とは高さ方向の各階のバランスの指標。偏心率とは各階の平面的なバランス(ねじれ)の指標。 よって、間違いです。剛性率が悪くなる例としてはマンションなどで基準階は耐震壁あるが、1階は駐車場等 により、耐震壁がなくなり、他の階に比べ、極端に剛性(堅さ、変形しずらさ)が低くなるピロティ構造があります。偏心率が悪くなる例は、木造住宅において南側に開口(サッシ)を多く設け、耐力壁が少なくなり、 サッシが不要な北側のみに耐力壁がたくさんあるような形式があります。



  4. 構造形式(RC、鉄骨、木造)に係わらず、耐震計算ルートを梁間方向、桁行方向の方向別に採用してもかまいません。構造図の一番最初にある構造設計標準図にも耐震計算ルートが書かれているものがありますが、X方向、Y方向と別々に記入するようになっているのを見たことがあるかと思います。