富士見坂眺望研究会

更新記録   富士見坂眺望研究会のホームページ −風景遺産−日暮里富士見坂の眺望保全について 会へのメール リンク

−明治神宮外苑聖徳記念絵画館前からの富士−

 
神宮外苑は富士山への眺望ラインに基づいた都市計画により作られました。 今回の出来事は決して偶然ではなく、見えているのは本来の富士です。 「期間限定」なのは富士山ではなく、旧競技場が「期間限定」で富士山を覆い隠していたのであり、 競技場は惜しまれつつ壊されたものの、結果として神宮外苑は本来の姿を取り戻しました。半世紀を経て「世界遺産」となって姿を現した 富士山を再び覆い隠すことになれば、新国立競技場は世界に恥ずべきオリンピックの負の遺産、 負のレジェンドとして後世に語り継が れることでしょう。 新国立競技場計画は、富士山との共存を図って修正される必要があります。

◆ 緊急報告!
新国立競技場ができると、現在の眺望(左:写真)は右:シミュレーション画像のようになります。

シミュレーション画像のため誤差が生じることがあります。 写真およびシミュレーション画像は、右クリックしてダウンロードすることができます。

◆ 富士山への山あてラインおよび眺望範囲ラインと新国立競技場A案の配置
2.45MBのファイル容量の所を右クリックすると、 拡大画像をダウンロードすることができます。 (2016年2月8日掲載)

2.45MB

◆現在、国立競技場の取り壊しによって、明治神宮外苑聖徳記念絵画館前の道から富士山がよく見えています。 絵画館前の通りをヴィスタライン(山あてライン)として山頂と両翼を望むことができ、 目下のところ都心部の山手線内では地上から全体を眺められる唯一の富士見眺望点といえるでしょう。 (撮影:富士見坂眺望研究会 2016年1月10日)

3.43MB
 
    別の山あての事例へのリンク
   

埋もれていた「山あて」のライン 競技場近辺はゆるやかな谷地となっており、 新宿御苑を源流とする渋谷川(外苑西通り沿い:現在暗渠化、唱歌「春の小川」のモデル)の谷を挟んだ向こう側に、 鳩森八幡神社(千駄ヶ谷1丁目)があり、 境内には江戸市中の著名な富士塚「江戸八富士」のひとつ、 「千駄ヶ谷の富士塚」が現存します。 また、谷のこちら側にある龍厳禅寺(神宮2丁目)境内からの眺めは、 北斎により『冨嶽三十六景 青山円座松』として、 さらには外苑銀杏並木の入り口、青山通りは旧大山街道で、 そこからは初代広重により『不二三十六景 東都青山』 として富士が描かれています。 青山通りの先には富士見坂(現宮益坂)があります。 つまり一帯は地形的にも歴史的にも富士山がよく見えていた場所であり、 富士山を望む方角(ヴィスタ)を見てみると絵画館前の道路の中心線が、 きれいに山の中心に向かっていることから、 外苑や絵画館の配置計画の際に、道路の軸線を主要な山に当てる、 日本古来の技法”山あて”が行われたと考えられます。 奇跡的に出現したこの風景も、計画中の新国立競技場によって、失われてしまうことになるのでしょうか。

類例のない場所 旧国立競技場が解体された現在、改めて外苑銀杏並木を歩いてゆくと、良く知られた西欧流のヴィスタとアイストップの絵画館という名画のような構図が、そして絵画館前からは左手に 古来の「山あて」による清々しい富士の姿が望めます。絵画館前は、「ヴィスタ」と「山あて」の東西異なる二種類のラインが直角に交差している、 非常に稀なポイントだということが分かってきます(ビスタは先方で視界が収束するイメージ、山あては先方で山に向かって広がるイメージ。 さらに二つのラインの主従については、青山通りと銀杏並木は微妙に直角ではないことから、絵画館の東西方向の向きの配置が、 まずこの山あてラインによって決まり、そこから直角に銀杏並木の線が引かれ、青山通りに当てたのではないかと考えられ、 山あてラインの軸が先で銀杏並木の軸は後ではないかと推測されます。銀杏並木を貫く外苑全体の軸の向きは、まず富士山によって 導かれていた可能性が高く、山あてのラインは隠されていた基本軸ではないかと考えられます。) このように、絵画館前は二つのラインと、 銀杏並木〜聖徳記念絵画館〜富士山という取り合わせによって、 西欧と日本の都市計画・建築・造園・景観設計が見事に融合された空間が現出しており、これほどの場所は類例を見ません。
(参考:明治神宮聖徳記念絵画館は、平成23年(2011年)4月、「東京都景観計画」において、 銀杏並木から見た建築物を中心とした眺望が保全されるよう、景観誘導の対象となる。 また同年6月優れた技術とデザインによる我が国最初期の美術館建築として「国重要文化財」に指定。 )

富士山と競技場の共存を 紆余曲折の最中、忽然と甦ったこの光景は私たちに何を語りかけているのか。単なる一過性の偶然などではなく、何か永続的な必然を指し示していないか。 未だ新計画が固まり切っていない現段階を好機ととらえ、富士山と競技場の共存を図るべきではないか。 配置計画、建築計画、それだけで難しければ施設規模の縮小までをも視野に入れ、衆知を集めて調整すべきではないでしょうか。 この問題を乗り越えてこそはじめて、「環境の世紀」にふさわしい新時代を画す日本のオリンピックとして真に認識され、 世界の人々を誇らしく迎えることが出来るようになるはずです。関係者の、専門家の、市民の見識を示す時ではないでしょうか。 (2016年1月10日記載)

◆明治神宮絵画館前からのダイヤモンド富士は、2月4日に見ることが出来ました。 驚くほど沢山の方が集まり(1,000人以上)、光景に見入っておられました。 翌2月5日は、前日の報道の為か、曇り空にも関わらず更に人が増えましたが(1,500人以上)、 あいにくと見ることはできませんでした。
全7枚の写真はここをクリックしてご覧下さい。 次のダイヤモンド富士は11月になります。 (2016年2月6日掲載)

◆なお、この絵画館前からも、来月早々にダイヤモンド富士を眺めることができます。 期間は2016年2月3、4、5、6日の4日間です。 少し下のシミュレーション図およびその拡大画像をご覧下さい。 (因みに3日は節分、4日は立春です)(2016年1月10日掲載)

2016年2月3日16時55分 16時56分 16時57分 16時58分
2016年2月4日16時56分 16時57分 16時58分 16時59分
2016年2月5日16時57分 16時58分 16時59分 17時00分
2016年2月6日16時58分 16時59分 17時00分 17時01分
神宮外苑絵画館前の位置:緯度35度40分40秒,経度139度43分5秒(WGS84),標高31m地上高2mで計算
国土地理院数値地図50mメッシュ(標高)データを使用
富士見坂眺望研究会が景観描画ソフト「カシミール3D」により作画。

◆ メニュー